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見幕
「見幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
せかけられた。 衛兵司令は、大隊長が鞭《むち》で殴りに来やしないか、そのひどい
見幕を見て、こんなことを心配した位いだった。 「副官!」 彼は、部屋に這入ると....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
も貴女です」と云って更に余に向い「道さん、此の女に立ち去ってお貰いなさい」と甚い
見幕だ、余は「道さん」では無い、道九郎《どうくろう》だ、「道さん」とは唯幼い頃に....
「わが町」より 著者:織田作之助
そして、 「おばはん、もう帰り。――帰らんかッ!」 と、言った。 相当きつい
見幕だったので、オトラは驚いて帰って行った。 が、彼女は他吉が俥をひいて出て行....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
険しい眼に角を立てて声を荒だて木谷に詰めよってきた。木谷をも、また銃殺しかねない
見幕だった。 「用があるさ。戦友がどうなったか気づかうのはあたりまえじゃないか!....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
って来ると、 「マイド、ドウモ」 と挨拶する。名前でもきこうものなら、大へんな
見幕である。昼間から麻雀のサーヴィスや御馳走をする。近くの料理屋へ交渉にゆく。芸....
「穴」より 著者:黒島伝治
い者から五円札を受取った記憶もなかった。けれども、物をはねとばさぬばかりのひどい
見幕でやって来る憲兵を見ると、自分が罪人になったような動揺を感ぜずにはいられなか....
「氷河」より 著者:黒島伝治
回となく行き来した。それは、キッカケが見つかり次第、衝突しようと待ちかまえている
見幕だった。中隊では、おだやかに、おだやかにと、兵士達を抑制していた。しかし、兵....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
分の意志の通りに行動させる。きかなければ天光光を殺して一家心中する、という大変な
見幕であった。呆気にとられたのは私一人ではなかった筈だが、これとても、骨子は狂っ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
して一人の女給をつれていた。 「無銭飲食です。勘定をとって下さい」 と、すごい
見幕でつきだした。 その勘定というのがタッタ百円なのである。女給が街頭に出張し....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が高率を唱えるを例とする。しかし、かれらはその不満をただ不機嫌な容貌と、恐ろしい
見幕とで表わすばかりである。 その日の午後になって、かれら船員は代理人を出して....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
気を悪くしたのは熊五郎であった。 「へん、どうするか見やアがれ」 恐ろしい
見幕で怒鳴り声をあげた。 2 同じ一座の道化役、巾着頭のトン公は、夜中にフイと....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
だがねえ」と玄女は思量深く「私達の四ツ塚の隠家を、突き止められたら大変だよ、あの
見幕なら家の中へ、きっと切り込んで来るからねえ」 「おっ、なるほど、それはそうだ....
「一老人」より 著者:犬田卯
な他人に、この屋敷手つけられるなんて、自分の手足伐られるようだとか何とか、大変な
見幕でいきまいていたっけで。」 「でも、権利あるめえから、伐られたって文句の持っ....
「瘤」より 著者:犬田卯
せた。一瞬、田辺も突っ立ち上ったが、 「それは、その……その……」 瘤の激しい
見幕に、彼は頭がくらくらしてしまって、もはや、何をいうべきか、すっかり解らなくな....
「秋深き」より 著者:織田作之助
、こんど……」 機会があったら飲みましょうと、ともかく私は断った。すると、男は
見幕をかえて、 「こない言うても飲みはれしまへんのんか。あんた!」 きっとにら....