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見当る
「見当る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見当るの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
だと信じます。旧幕時代の文学のどこをどう尋ねてもこんな意味の訪問感想録はけっして
見当るまいと信じます。この春でしたがある所に音楽会がありました。その時に私の知っ....
「行人」より 著者:夏目漱石
そ》ぶという心持は、今の僕には起る余裕がない」
兄さんはその時電車のなかで偶然
見当る尊《たっと》い顔の部類の中《うち》へ、私を加えました。私は思いも寄らん事だ....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
とは思ったが、事件のあった附近で発見したものだから、何か手懸りになるようなものが
見当るかもしれないと思ったので、ポケットからシガレット・ライターを出して、その光....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
ちに回復した。気が落着いて来た。助かるらしい。八十助は両眼をグルグル廻して何物か
見当るものはないかと探した。有った、有った。棺の隙間から見える真赤な火の幕、その....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、荘厳の気を漲らしめている。そして斯く思想的大観的に歌うのは、此時代の歌には時々
見当るのであって、その恩想を統一して一首の声調を完うするだけの力量がまだこの時代....
「椎の木」より 著者:豊島与志雄
僕が著わした小さな詩集に署名を求めたこともあった。僕が時々書く詩だの随筆だのは、
見当る限り読んでるとのことだった。 人間の好き嫌いというものは妙なもので、どこ....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
くりするほど元気なそして横柄な調子で、彼は尋ねた。 この近所に自動車はなかなか
見当るまいと聞いて、彼はちょっと考えてる風だったが、帽子は忘れ、泥水にずぶ濡れに....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
たのである。実際、「心理試験」ほどの傑作は、多産な英米の探偵小説界にも、めったに
見当る作品ではないと私は断言して憚らぬ。嘘だと思うなら、襟を正しくして読んで御覧....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
石の地蔵とか、柳の落葉をかぶっている馬頭観音とかいうものの姿が、直ぐ其処らにでも
見当るような親しさで、胸に思い出して居た。 硝子窓の外で、ぎらりと光った数珠の....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
小「それでは新田屋の方から名主へ掛り、手を以て尋ねれば知れん事も有るまい、私も又
見当ることが有ったら新田屋まで送り届けるから急いで往くが宜い」 内「はい、有難う....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
名ぐらいは見出されるかもしれないが、とにかくその事蹟とか人間については、ほとんど
見当るものがない。 かえって、大淵の法孫として、性天という僧のほうが有名である....
「山の人生」より 著者:柳田国男
りしと覚えしは、其|川向二三|間にも足跡ありしと。之を山男と謂ひ、稀には其|糞を
見当ることあるに鈴竹といふ竹葉を食する故糞中に竹葉ありといふ。右の村々は大井川の....