見得を切る[語句情報] » 見得を切る

「見得を切る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見得を切るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十姉妹」より 著者:山本勝治
しなかったが、父は、暇の許す限り出席した。慎作が昂奮して卓を叩き、拍手の前に一寸見得を切る時等、見ると、大抵父も遠慮勝ではあったがパンパンと手を叩いて、少なから....
第四次元の男」より 著者:海野十三
郎のように、(いや、わたくしは今に大成功をする、お前さんの占いは正しいのだ)と大見得を切る元気もなかった。それよりは、なぜわたくし自身が、そうした呪わしい人間―....
光は影を」より 著者:岸田国士
ています。どんなことがあつても、僕が、小萩さんを幸福にしてお目にかけます」 大見得を切るつもりもなく、自然に、そんな芝居がかりのせりふになつてしまつた。彼は、....
九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
を作り、それから直ぐ鼻翼の上の強いアクサンとなる。此の目玉に隈を入れて舞台で彼が見得を切る時、らんらんと言おうかえんえんと言おうか、又城外の由良之助のように奥深....
かもめ」より 著者:神西清
引受けていましたが、演技はがさつで、味もそっけもなく、やたらに吼え立てる、大仰な見得を切る、といった調子でした。時たま、なかなか巧い悲鳴をあげたり、上手な死に方....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、犢のように唸りだした。 「こいつ、おれを誰だと思う」 木刀に手をかけて、彼が見得を切ると、犬は、喉を太くして、猛然と、小柳生城の兵を奮い起たすような声で吠え....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
目をくれている。 なにも、もちの木坂じゃあるまいし、女ひとりを取巻いて、そう大見得を切ることはあるまい。いつも一角ときたひには、田舎剣豪の強がりばかり振り廻す....