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「見惚れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見惚れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、繻子奴に扮装ったかれの姿は、ふだんの見馴れているおこよすらも思わずしげしげと見惚れるくらいであった。そのおていちゃんが行方不明になったのである。 勿論、楽....
睡蓮」より 著者:横光利一
ある。とにかく、もう老年の八百屋の主婦が、朝毎にペダルを踏んで通る高次郎氏の姿に見惚れるというようなことは、私もともに無理なく頷くことが出来るのである。高次郎氏....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
も人並はずれて毛深い方だが、此アイヌに比べては、中々足下にも寄れぬ。熟々感嘆して見惚れる。翁は丁寧に診察を終って、白や紫沢山の薬瓶が並んだ次の間に調剤に入った。....
厨房日記」より 著者:横光利一
んでいながら、顔を合せば畳の上へ額を擦りつけて礼をするのも、奇怪以上に美しく梶は見惚れるのであった。稲穂の実り豊かに垂れている田の彼方に濃藍色に聳える山山の線も....
恋の一杯売」より 著者:吉行エイスケ
見せない整型学、醜いものをグロテスクにするための進歩主義、あわただしい木馬競走に見惚れる観衆の喝采。 私は花田君子柳の下に棄てて、カバレット銀座、未来の情婦、....
心臓盗難」より 著者:海野十三
ンの格子織のオーバーを着込んで、ゆったりと門の中へ入って行く姿は、女ではなくとも見惚れるほどのすばらしい美男の紳士だった。 「あの殿御ですよ。初めて今福さんのお....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
て、にこついた。 大連から歩いて来たという男は、ロシヤ人をさえ見れば、女の臀に見惚れるように、その憂鬱な瞳に、憬がれの閃めきをちらつかせた。 彼は大連から飲....
天守物語」より 著者:泉鏡花
、うしろ向きに乗出して、獅子頭を視めつつあり)老人じゃ、当|館奥方様も御許され。見惚れるに無理はないわいの。 朱の盤 いやさ、見惚れるに仔細はないが、姥殿、姥殿....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
て金無垢の櫛かんざしで黒縮緬の羽織を引掛けている様子は、自然と備わる愛敬、思わず見惚れるような好い御新造で、 蘭「こちらへお這入り」 兼「誠にまア御無沙汰をいた....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ませぬ。」 夫人はこれを聞くうちに、差俯向いて、両方引合せた袖口の、襦袢の花に見惚れるがごとく、打傾いて伏目でいた。しばらくして、さも身に染みたように、肩を震....
星女郎」より 著者:泉鏡花
面に蒔いた秋草が実に見事で、塗も時代も分らない私だけれども、精巧さはそれだけでも見惚れるばかりだったのに、もう落雁の数が少なく、三人が一ツずつで空になると、その....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
素晴らしいもので、私がそれに乗って外出をした時には、道行く者も足を停めて感心して見惚れる位でございました。ナニ乗者に見惚れたのではないかと仰っしゃるか……。御冗....