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見抜く
「見抜く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見抜くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
身なりで、何の不思議もないとはいうものの、烱眼に掛れば、囚人用の草履であることを
見抜くかも知れない。 銀造は桜橋まで来ると、曾根崎の方へ折れて闇市の中へまぎれ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
日に、一ぺん紀代子に会っても良い)と、思った。(しかし、紀代子は俺の学資の出所を
見抜くかも知れない) 豹一は翌年の四月、三高の文科へ入学したが、だから紀代子に....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
るとも、此の鍵穴へ錠を突き入れる事はせぬ所で有っただろう、けれど悲しい哉、爾まで
見抜く眼力はない、只何となく悪い気持がするけれど、躊躇しても詮ない事と、差し図の....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
っているべきである。そのためには直接彼らと知り合って談笑のうちにその特質や性癖を
見抜くことはもちろん必要であるが、一方ではまたできるだけ彼らの出演している舞台や....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
な?」 「金的だよ、大中り」女の笑う声がした。「お前さんには出来る筈だ。人の心を
見抜く機械、それを造ったお前さんじゃないか」 老人は暫く考えていた。 「だがな....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
りますべえか。」 「馬鹿野郎! 三百人が僅かかい……」 こいつほど、人の懐中を
見抜くことに機敏な奴はなかった。スリよりも機敏だった。その点、山崎自身も警戒して....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
た。小塚検事は多年刑事裁判に従事した人とは思えない温顔に、流石に対手の心の底まで
見抜くような透き通った眼で支倉を見据えながら、徐々に訊問をした。 支倉はスラ/....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、そういう冒険をしなかった日には、虎児を獲ることはむずかしいに行き会って、人物を
見抜くのも一興である」 そこで葉之助は云われるままに、木戸を潜ることにした。 ....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
。国民は、今しばらくこの点に思考を集中し、従来の政体、国体というものの真の正体を
見抜くことによつて始めて十分に現在の変革の意味を認識し、まちがいのない出発点に立....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ということは存じて居る。さよう逸見氏も存じて居る」 「…………」 「人物は人物を
見抜くからの」 「はい、もう私などは小人で」 「そのうちだんだん人物になる」 「....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
をながめた。ただ港務局の役人たちの様子には、彼らの自己満足しているきびしい顔から
見抜くことができる限りでは、こんなに工合の悪いときに自分たちがやってきたと残念が....
「城」より 著者:カフカフランツ
は狂っていたのでした。ところが、アマーリアはその重荷を担っただけではなく、それを
見抜くだけの頭ももっていたのです。わたしたちはただ結果だけを見ていたのに、あの子....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
だ薄笑いを招くだけではあった。 だが、根本においては断食芸人はほんとうの事情を
見抜く眼を失ってしまったわけではなく、檻つきの彼を主要番組としてサーカスの舞台の....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
それを心得ぬ仲間のなかにはウォタア・ラレイもいる。彼は侍史がなにをしているかを、
見抜くことができなかった。セシルは自身の指の間から、せっかくの金色の機会が洩れ出....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
次の様に答えた。 「勿論間違いだとは言わぬ、しかし、その時のぼくにその様なことを
見抜く力があったとすれば、恐らく、君のその様な解決の素材になったこのぼくの話は、最初からもっと違ったものであったろう」....