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「見果てぬ夢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見果てぬ夢の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
サタニズムではない。 り、竜宮さまは海の底。 老憊《ろうはい》の肉体を抱き、見果てぬ夢を追い、荒涼の磯をさまようもの、白髪の浦島太郎は、やはりこの世にうよう....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
無法《けんいちむほう》は難題 枕頭《まくらもと》で喚覚《よびさ》ます下女の声に見果てぬ夢を驚かされて、文三が狼狽《うろたえ》た顔を振揚げて向うを見れば、はや障....
青年」より 著者:森鴎外
|領元まで引き寄せて、腮を埋めるようにして、又寐入る刹那には、朧げな意識の上に、見果てぬ夢の名残を惜む情が漂っていた。しかしそれからは、短い深い眠に入ったらしい....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
綱を控え、女男の波の姿に拡げて、すらすらと乾した網を敷寝に、舳の口がすやすやと、見果てぬ夢の岩枕。 傍なる苫屋の背戸に、緑を染めた青菜の畠、結い繞らした蘆垣も....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ているし住宅地とすれば、これ迄より条件はよくないわけです。危険の増大から。だから見果てぬ夢は見ないことと富ちゃんにも話したことです。地価なんかについてね。\25....
桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
黒髪にツヤが立ち、結ばれ、そして顔があらわれ、一つの美が描かれ生まれてくることを見果てぬ夢に思うのでした。 「こんなものがなア」 彼は模様のある櫛や飾のある笄....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
堪え兼ねるのでありました。 夜になって闇の沖にいさり火の見えるのも苦しかった。見果てぬ夢をあまり短くして断ったそれを惜しませるような、冷たく揶揄するような沖の....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
ら、わたくしが中年のころにつくった対話「昼すぎ」漫筆「妾宅《しょうたく》」小説「見果てぬ夢」の如き悪文を一読せられたなら思い半《なかば》に過るものがあろう。とは....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
れでも、何とか一、二字を生かせば生きるあの頃の真実も目につく。青春は二度とない。見果てぬ夢の香気と色とは今だに連想の林に薄紫の桐の花を靉々と匂わしたくなる。考え....