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見極め
「見極め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見極めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
あるのでございます。その癖何が気になるのかと申しますと、それは私にもはっきりとは
見極めをつける事が出来ません。ただ、頭の中の歯車がどこかしっくり合わないような―....
「星座」より 著者:有島武郎
ったけれど、反射鏡をいかに調節してみても、クロモゾームの配列の具合がしっかりとは
見極められないので、およその時間はわかった。園は未練を残しながら顕微鏡の上にベル....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
今の次郎左衛門は八橋を離れて動くことのできない約束になっていることを、彼は自分で
見極めてしまった。八橋がきっと自分の物になるという保証がつけば、彼は車力にでも土....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
所だった。その城壁は相当の高さであって、頂上は見えなかった。また左右のひろがりも
見極めかねた。とにかく巨大な艦船みたいなものがこの海底にどっしりと腰を据えている....
「鮨」より 著者:岡本かの子
死んで、五十近くなった時、一寸した投機でかなり儲け、一生独りの生活には事かかない
見極めのついたのを機に職業も捨てた。それから後は、茲のアパート、あちらの貸家と、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
努力しても、臆測することが出来ない。そして恐らくは誰も出来ないだろう。その異同を
見極めるだけにでも女性の中から天才の出現するのは最も望まるべきことだ。同じであっ....
「階段」より 著者:海野十三
るところに、紫とも藍ともつかない記号のようなものがチラリと見えたのは何であろう。
見極めようとした途端に、ひとでのような彼女の五本の指が降りて来て僕の視線の侵入す....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
複雑化する。しっかりやらなくてはならない。そして長生きして世界の移り変わりをよく
見極めたいものである。 ◯四月に於けるわが収入は、金五十二円八十銭であった。大学....
「春昼」より 著者:泉鏡花
映る工合が直き目の前で燃している景色――最も靄に包まれながら―― そこで、何か
見極めたい気もして、その平地を真直に行くと、まず、それ、山の腹が覗かれましたわ。....
「流線間諜」より 著者:海野十三
戦闘の妙諦はまず敵の機先を制することにあった。それに帆村は既に空気管の中の模様を
見極めているので、この上その中に潜入していることが彼のために利益をもたらすもので....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
の前に座るや、あらゆる公式と数値とを書いたハンドブックや、計算尺の揃っているのを
見極めた上で、説明書を開いた。 「偉大なる結論というものは、大約短いものだ」 ....
「春」より 著者:岡本かの子
が、京子の淋しいきちがいと光らせ、傍の者を眩しがらせてから、も一度、朝陽の在所を
見極める。鏡と朝陽の照り合いを検べる。そして、自分も鏡のなかへ映る自分の眸に星が....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ったかも知れぬわい。待て、一番家内を検べて見よう。その死骸はな、よく死んだことを
見極めて、家内の雑具部屋へ入れておけ。高田|様、貴下も御迷惑であろうが手伝って下....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
これを左に合録す。 欲。 (おおとりの飛ぶ天や鯤がおよぐという海の果てのあたりを
見極めようとして、雲をすみかとし、露をこうむってやどりながら生涯を送ろうとする。....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
い東嶺を抜け出て樹々の葉を透してくる。眼前がきらきらして一しきりこれと定めて物を
見極めにくくなる。そんな時|俄にけたたましい音がして、落葉樹の間から山鳥が飛びあ....