見殺し[語句情報] »
見殺し
「見殺し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見殺しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
である。――現に牢《ろう》を破ったのさえ、次郎を助けようと思うほかに、一人の弟を
見殺しにすると、沙金にわらわれるのを、おそれたからであった。――そう思うと、なお....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
さなかった。その代りにある感情の火のように心を焦《こ》がすのを感じた。それは父を
見殺しにした彼自身に対する怒だった。理が非でも仇《あだ》を返さなければ消えること....
「白」より 著者:芥川竜之介
、こういう独語《ひとりごと》を始めました。
「お月様! お月様! わたしは黒君を
見殺しにしました。わたしの体のまっ黒になったのも、大かたそのせいかと思っています....
「或る女」より 著者:有島武郎
の顔を打つたびに、断続して聞こえて来るように思われた。
「葉子さん、あなたは私を
見殺しにするんですか……
見殺しにするん……」
一〇
始めての旅客も物慣れた....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
行こう」 と、速水は僕の腕を抑えて引張った。 「でも、これじゃ『深夜の市長』を
見殺しにするようじゃないかネ」 「仕方がない、後はお照に委せるんだ。躊躇している....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ったら、それはそいつが悪いのじゃということになっている。……」 「では、武夫君を
見殺しにするのですか」 「
見殺しなんて、そういうわけじゃないけれど、とにかく祟り....
「春昼」より 著者:泉鏡花
や瀬でないだけに、救助船とも喚かれず、また叫んだ処で、人は串戯だと思って、笑って
見殺しにするでしょう、泳を知らないから、) と言って苦笑をしなさったっけ……そ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
。あのとおり死にそうな声をだしている。それに三根夫君もとびこんでしまった。少年を
見殺しにできません。助けてやりたい」 テッド隊長は、居ても立ってもいられない思....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
れてしまえば、祖国への御奉公も、それまでではないか。 (といって、あの中国少年は
見殺しには出来ない) 太刀川は、わが胸に問い、わが胸に答えながら、考えこんでい....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
まっている。 「ぐ、軍曹どの。じ、自分は、もういけません。……」 「こら、上官を
見殺しにする気か。よおしこの機銃を、こっちへうばいとったら、第一番にこの幽霊をた....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
は一方の腕をのばして、杜の洋服をグッとつかんだ。 「待って、待って。……あたしを
見殺しにしないで下さいよォ、後生だから」 杜は、またそこに跼んで、棟木の下に隠....
「女客」より 著者:泉鏡花
る。いっそ伜がないものと極ったら、たよる処も何にもない。六十を越した人を、まさか
見殺しにはしないだろう。 やっちまおうかと、日に幾度考えたかね。 民さんも知....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
は、見るのも厭におなりなさいますよ。」 「いや、厭になるか、なりませんか、黙って
見殺しにしましょうか。何しろ、訳をおっしゃって下さい。夫人、廉平です。人にいって....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ってつッけんどんに、 「生意気な講釈をするない、手前達の知ったこッちゃあねえや、
見殺しにされるもんか。しかし、おい、おいらも、まさかこれほどとは思わなかったが、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
へんである。三浦は自分にとりて切っても切れぬ深い因縁の土地、このまま土地の人々を
見殺しにはできない。殊にあそこには良人をはじめ、三浦一|族の墓もあること……。一....