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「見物衆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見物衆の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
、何一つ心得ぬことのない藤十郎様が、密夫の所作を、どなに仕活《しいか》すか、さぞ見物衆をあっといわせることだろうと、夢中になっての高話じゃ。 長十郎 藤十郎の紙....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
に、わが身でわが身を、どうすることも出来ず、大事な舞台の上ですら、ともすると、御見物衆の中に、あなたさまのお顔が見えたような気がしますと、手ぶり、足のはこびも狂....
名娼満月」より 著者:夢野久作
の茶屋の灯火は日の暮れぬ中から万燈の如く、日本中から大地を埋めむばかりに押寄せた見物衆は、道中筋の両側に身動き一つせず。わけても松本楼に程近い石畳の四辻は人の顔....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
大層贅沢なようだが、藤十郎の考えでは、芝居に出ているうちは、自分の身体は銀主方と見物衆のもので、自分ひとりのものではないはずだから、つねに飲みつけない水を飲んで....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
おのれ見よ。与五郎、鬼神相伝の秘術を見しょう。と思うのが汽車の和尚じゃ。この心を見物衆の重石に置いて、呼吸を練り、気を鍛え、やがて、件の白蔵主。 那須野ヶ原の....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
の家だったら。私、今朝からそんなことを考えていたのよ」 「まったくだなア。土俵、見物衆、巡業の汽車、宿屋、僕ら見てるのは人間と埃ばっかり、どこへ行っても附きまと....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ま、水をふきあげて、ガガア! という河馬のマネ(ではないかと思うが)を再三やって見物衆をよろこばせた。天性無邪気で、当時からターザンに誰よりも適任の素質を示して....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
あの晩のガラガラですか。あれも私の新作でして、ありきたりの手法に満足しなくなった見物衆のドギモをぬくために近ごろ発明いたしました。今回ははじめての依頼者ですから....
可愛い女」より 著者:神西清
は、芝居を措いてはほかに求められない、などと言い言いするのだった。 「けどねえ、見物衆にそれが分かっているでしょうか?」と彼女は言うのだった。「あの連中の求める....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
識でございますな。だがしかしそれはどういう訳で?」 「繁華な都で打ちましても、ご見物衆が来てくれませぬ」 「あッ、なるほど、そういう訳がらで、これでスッパリとわ....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
ックがきかなくなって、こうして、両国は両国でも、娘手踊りなどのあいだにはさまって見物衆のごきげんを取り結ぶサンドイッチみたいな芸人に落ちているし、お駒はお駒で、....
日記」より 著者:宮本百合子
て居る、つまり柔かいのだ。 一例 「おどりおどるならいえー、しなよく願おう。御見物衆なら、静にーねがおう。(あ、あやあすけどっこい、どっこいな)がっちゃがっち....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
|○| 場内は、水をうったように静まりかえり、時々、静寂の中を、ご見物衆の、せきばらいの一つ二つが、さながら、森の中でいたしますように、凄いまでの....
」より 著者:カフカフランツ
ることはできないからです。それじゃあ、あなたがただけがここに残りなさい。まともな見物衆たちの反感にじゃまされずに、好きなだけここにのさばっていることができますよ....