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見積る
「見積る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見積るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
|苛《から》い。すなわちおれが彼の地位にいたらこんな失体は演じまいと云う己を高く
見積る浪漫的な考がどこかに潜《ひそ》んでいるのであります。さて自分がその局に当っ....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
けては、席次にさほど重きをおかないのが、一般の習慣であった上、年ごとに自分を高く
見積る見識というものが加わって来るので、点数の多少は大した苦にならなかった。これ....
「こころ」より 著者:夏目漱石
、私の所有にかかる一切《いっさい》のものを纏《まと》めてくれました。それは金額に
見積ると、私の予期より遥《はる》かに少ないものでした。私としては黙ってそれを受け....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
う。 この程度の学生を先ず中流生活者として、その純小遣いを十五円乃至四十円位に
見積る。彼等の驚くべき贅沢さや質素さは皆この範囲から出て来るのである。更に質屋や....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
。
あの土地にはいって、さしあたりの自給自足が出来るまで少くとも三カ年を要すと
見積る。その間を喰《く》いつなぐ米塩の用意であった。つくられるべきわれらの新たな....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
に大きくて重い貨幣もいくつかあった。アメリカの貨幣は一つもなかった。宝石の価格を
見積るのはいっそう困難だった。金剛石《ダイヤモンド》は――そのなかにはとても大き....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
分は殺され、まだその他にも人死にの惨事が出来上たようだった。全く人間の生命も金に
見積るとセッターや、セファード、テリヤよりも案外安値なものである。 絵描き貧乏....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
分は殺され、まだその他にも人死にの惨事が出来上たようだった。全く人間の生命も金に
見積るとセッターや、セファード、テリヤよりも案外安値なものである。 絵描き貧乏....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
分、衣類や書画|骨董《こっとう》といったようなものなのですから、それを残らず金に
見積ることは、やっぱり不可能と言ってよいのですが、いちばん可能性のある金銀だけに....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
タキシ内――これが一番苦手だ――その他料理店等で置き忘れて来た色んな物品を価格に
見積ると、決して馬鹿にならないものがある。なかんずく、その種品別にいたっては実に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ル君、」と彼は言った、「君がわしに貸そうという馬と小馬車とはおよそどれほどの価に
見積るかね、馬に馬車をのせて。」
「馬に馬車を引かせるんですよ、旦那《だんな》。....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
が、これには十分の根拠がある。従ってそれが総人口に対してとる比率を幾分でも正確に
見積ることは困難であろう。 もし英蘭《イングランド》及びウェイルズの現在人口を....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
鬼の首でもとったようにでかでかと吹聴するのは、大袈裟だ。 いまその施薬の総額を
見積ると、見舞金が七十人分七百円、薬が二千百円、原価にすれば印紙税共四百二十円、....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
地主」で、反当りで計算してみても、灌漑費、排水費、反別割、其他の税金、生活費用を
見積ると、そこから上る六、七斗の小作料では引き合わなくなってきていた。――田に修....
「それから」より 著者:夏目漱石
と、何処までも気にかかる男であった。しかも自分でその馬鹿気さ加減の程度を明らかに
見積るだけの脳力があるので、自分の気にかかり方が猶《なお》眼に付いてならない事が....