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「見立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
で及んでいた。 蘭袋は甚太夫の脈をとって見るまでもなく、痢病《りびょう》と云う見立てを下《くだ》した。しかしこの名医の薬を飲むようになってもやはり甚太夫の病は....
或る女」より 著者:有島武郎
昼すぎまで葉子は越後屋にいて注文や買い物に時を過ごした。衣服や身のまわりのものの見立てについては葉子は天才といってよかった。自分でもその才能には自信を持っていた....
婦系図」より 著者:泉鏡花
膝を支いて、鉄瓶を掛けながら、 「似合ったでしょう、過日谷屋が持って来て、貴下が見立てて下すったのを、直ぐ仕立てさしたのよ。島山のはまだ縫えないし、あるのは古い....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
年ごろで、高等な円髷でおいででございました。――御容子のいい、背のすらりとした、見立ての申し分のない、しかし奥様と申すには、どこか媚めかしさが過ぎております。そ....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
見る方が手取り早うございますよ。樹の根、巌の角、この巌山の切崖に、しかるべき室に見立てられる巌穴がありました。石工が入って、鑿で滑にして、狡鼠を防ぐには、何より....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
が可笑しい。」 「いえ、その、お古い処を……お馴染|効でございまして、ちょっとお見立てなさいまし。」 彼は胸を張って顔を上げた。 「そいつは嫌いだ。」 「もし....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
たのでありますから、唯今怪しい事などは、身の廻り百由旬の内へ寄せ附けないという、見立てに預りました小宮山も、これを信じない訳には行かなくなったのでありまする。 ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
はないのが確で。 今はこう、とお綾の決心を聞いた上、心一つで計らって、姫捨山を見立てました。 ところが、この倶利伽羅峠は、夢に山の端に白刃を拭って憩った、ま....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。 私の愛馬と申しますのは、良人がいろいろと捜した上に、最後に、これならば、と見立ててくれたほどのことがございまして、それはそれは優さしい、美事な牡馬でござい....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
て、絵葉書で売るのとは場所が違う。それは港街道の路傍の小山の上に枝ぶりの佳いのを見立てたので。――真の夜泣松は、汽車から来る客たちのこの町へ入る本道に、古い石橋....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
をして銭を貰うのは普通だったが、中には親孝行で御座いといって、張子の人形を息子に見立てて、胸へ縛り付け、自分が負ぶさった格好をして銭を貰うもの――これは評判が好....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ている。このモルガンお雪というのはたしかに感じが出ている。着物はほとんど全部私が見立てて買つたものばかりだ。もちろんどれも十年も前に買つたものばかりであるが、い....
山吹」より 著者:泉鏡花
した。それでも、まだ我がままで――兄姉たちや、親類が、確な商人、もの堅い勤人と、見立ててくれました縁談を断って、唯今の家へ参りました。 姑が一人、小姑が、出戻....
雪柳」より 著者:泉鏡花
短い、胴づまりで肥った漢子の、みじめなのが抜衣紋になって、路地口の肴屋で、自分の見立てで、その鮪を刺身に、と誂え、塩鮭の切身を竹の皮でぶら下げてくれた厚情を仇に....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
空しからざるを知りぬ。 船『私どもを連れて来ましても、船を扱わせるだけで、場所の見立ては、何時も御自身なのです。も一尺岡によれとか、三尺前に進めろとか、鈎先はそ....