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「見舞い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見舞いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おしの」より 著者:芥川竜之介
……」 女は穏《おだや》かに言葉を挟《はさ》んだ。 「いえ、あなた様さえ一度お見舞い下されば、あとはもうどうなりましても、さらさら心残りはございません。その上....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
昨今のようじゃ、――」 お絹の夫も横合いから、滑かな言葉をつけ加えた。ちょうど見舞いに来合せていた、この若い呉服屋《ごふくや》の主人は、短い口髭《くちひげ》に....
河童」より 著者:芥川竜之介
とに感動していたことはたしかです。 「おい、バッグ、どうして来た?」 「へい、お見舞いに上がったのです。なんでも御病気だとかいうことですから。」 「どうしてそん....
」より 著者:芥川竜之介
結核《じんぞうけっかく》だった。僕は時々ビスケットなどを持ち、彼のいる書生部屋へ見舞いに行った。彼はいつも床《とこ》の上に細い膝《ひざ》を抱《だ》いたまま、存外....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
とは一年越互に思い合っていたのですが、どうした訣《わけ》か去年の暮に叔母の病気を見舞いに行ったぎり、音沙汰もなくなってしまったのです。驚いたは新蔵ばかりでなく、....
或る女」より 著者:有島武郎
た。「三日も食堂に出ないで閉じこもっているのに、なんという事務長だろう、一ぺんも見舞いに来ないとはあんまりひどい」こんな事を思っていた。そしてその一方では縁もゆ....
或る女」より 著者:有島武郎
て椅子《いす》の背に手をかけたまま立っていた。 「あゝ、岡さんあなたもわざわざお見舞いくださってありがとうございました」 葉子は少し挨拶《あいさつ》の機会をお....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
にささやかな貸別荘を借りて住む事になり、私たちは近所の旅館に宿を取って、そこから見舞いに通った。一時は病勢が非常に衰えたように見えた。お前たちと母上と私とは海岸....
活人形」より 著者:泉鏡花
少し過ぎなれば、終汽車にはまだ時間あり。一度病院へ取って返して、病人本間の様子を見舞い、身支度して出直さんと本郷に帰りけるに、早警官等は引取りつ。泰助は医師に逢....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
はいたしますが、この頃は気怯れがして、それさえ不沙汰がちじゃに因って、私によくお見舞い申してくれ、と云う、くれぐれもその託でございました。が何か、最初の内、貴方....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
、征清のことありしより、渠は活計の趣向を変えつ。すなわち先のごとくにして軒ごとを見舞いあるき、怜悧に米塩の料を稼ぐなりけり。 渠は常にものいわず、極めて生真面....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
くこともあるが、行かないこともある。その他はほとんど見ないようだ。いつか原節子が見舞いに寄つたとき、玄関に出て「どなたですか」ときいたくらいだから、その映画遠い....
海底大陸」より 著者:海野十三
。スミス警部をむかえると、かたい握手をもとめて、クイーン・メリー号の遭難について見舞いをのべたのち、 「――本社の指令にもとづき、スコットランド・ヤード(ロンド....
」より 著者:海野十三
頑張っていたとは、まるで嘘のような話だった。 夜に入って、北鳴は稲田屋の惨事を見舞いのために、人々の集っているところに訪ねてきた。そして二つの白い棺の前に恭し....
空襲警報」より 著者:海野十三
品川区五反田に、ささやかな工場を持つ鍛冶屋の大将こと金谷鉄造は、親類の不幸を見舞いにいった帰り、思いがけぬひどい目にあったが、その疲を休めるいとまもなく、も....