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「見覚え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見覚えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
どけしましょう。」 「しかしどう云う人だったでしょう? 僕はただ本多少佐の顔だけ見覚えているくらいなんですが、……」 「さあ、兄弟思いの人だったですね。それから....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
、やはり毎日先生の御講演を伺いに出て居りますが、勿論多数の中でございますから、御見覚えもございますまい。どうかこれを御縁にして、今後はまた何分ともよろしく御指導....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
う名は、今度の事に就いて知ったのだが、男にしては柔《やさ》しすぎる、色の白い顔を見覚えたのは、いつの事だかわからない。それが袈裟《けさ》の夫だと云う事を知った時....
妙な話」より 著者:芥川竜之介
その一人は今笑ったのと、全然別人に違いないのだ。では今笑った赤帽の顔は、今度こそ見覚えが出来たかと云うと、不相変《あいかわらず》記憶がぼんやりしている。いくら一....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
き返す代りに生け垣の間を左へ曲った。けれどもお墓は見当らなかった。のみならず僕の見覚えていた幾つかの空き地さえ見当らなかった。 「聞いて見る人もなし、………困り....
路上」より 著者:芥川竜之介
くぐり門があった。初子の視線を追った俊助は、そのくぐり門の戸を開け放した向うに、見覚えのある紺と藍との竪縞《たてじま》の着物が、日の光を袂《たもと》に揺《ゆす》....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
った以上、元《もと》より彼等の口論を見て過ぎる訳にも行かなかった。そこで彼はまず見覚えのある、その一人の若者に、 「どうしたのだ。」と声をかけた。 その男は彼....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
い海軍の武官が二人、麦酒《ビイル》を飲んでいるのに気がついていた。その中の一人は見覚えのある同じ学校の主計官《しゅけいかん》だった。武官に馴染《なじ》みの薄い彼....
或る女」より 著者:有島武郎
体で書いた置《お》き行燈《あんどん》の紙までがその時のままですすけていた。葉子は見覚えられているのを恐れるように足早にその前を通りぬけた。 停車場前はすぐそこ....
一房の葡萄」より 著者:有島武郎
にそこの蓋を揚げて見ました。そこには僕が考えていたとおり雑記帳や鉛筆箱とまじって見覚えのある絵具箱がしまってありました。なんのためだか知らないが僕はあっちこちを....
縁結び」より 著者:泉鏡花
っとしたくらい、まざまざとここで見たんだよ。 しかしその机は、昔からここにある見覚えのある、庚申堂はじまりからの附道具で、何もあなたの母様の使っておいでなすっ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ゃ、手に持った団扇をばさりばさり、往来を煽いで招くが、道幅の狭い処へ、道中双六で見覚えの旅の人の姿が小さいから、吹飛ばされそうです。それに、墨の法衣の絵具が破れ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
辺に一人の老人が姿を現しました。身には平袖の白衣を着て、帯を前で結び、何やら絵で見覚えの天人らしい姿、そして何んともいえぬ威厳と温情との兼ね具った、神々しい表情....
歯車」より 著者:芥川竜之介
「大火事でしたわね」 「僕もやっと逃げて来たの」 僕はこの年をとった女に何か見覚えのあるように感じた。のみならず彼女と話していることに或愉快な興奮を感じた。....
親ごころ」より 著者:秋田滋
自分たちの前を彼等が通りすぎると、亭主はそっとこう云った。 「どうだね、お前にゃ見覚えはねえかい」 女房はそわそわと落ち付かぬ容子をして、亭主と同じように切り....