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「見詰める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見詰めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
出して考え始める。立って女の手を取るごとき形をしてみる。また書抜きを開いてじっと見詰める)死出三|途《ず》の道なりとも、御身とならば厭わばこそ……(また絶望した....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
。ドレゴ記者は、まだ原子爆弾説を堅持しているのかね」 「そんな大きな眼をして僕を見詰めるなよ」 とドレゴは恥かしそうに笑い、 「実をいうとね、僕は君の説である....
深夜の市長」より 著者:海野十三
は、全く意外中の意外であった。僕は大福餅を売る水兵服の少女町子の顔を暫くは呆然と見詰めるばかりであった。がやがて嵐のような好奇心に駈られて、町子に問いたださずに....
河明り」より 著者:岡本かの子
接吻で苦しく唇を閉じられているようである。夜を一つの大きな眼とすれば、これはその見詰める瞳である。気を取り紛らす燦々たる星がなければ、永くはその凝澄した注視に堪....
縁結び」より 著者:泉鏡花
っと抱しめて、 「母様の顔は、※さんの姿は、私の、謙造の胸にある!」 とじっと見詰めると、恍惚した雪のようなお君の顔の、美しく優しい眉のあたりを、ちらちらと蝶....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
樹の間から射す月の影、露の溢れたかと輝いたのは、蓋し手釦の玉である。不思議と左を見詰めると、この飾もまた、光を放って、腕を開くと胸がまた晃きはじめた。 この光....
星女郎」より 著者:泉鏡花
こう、水の底へ澄切ったという目を開いて、じっと膝を枕に、腕に後毛を掛けたまま私を見詰める。眉が浮くように少し仰向いた形で、……抜けかかった櫛も落さず、動きもしま....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
れた一味に、復仇を遂げようとするのではないか。それは沈黙のなかを、虚空から凝っと見詰める眼があるような気がして、なにか由々しい怖ろしいものがぞくぞくと身のうえに....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
の変り目毎に、三四度は欠かさずに、見物していました。見物する毎に、染之助が、私を見詰める瞳が益々熱して来るのに気が付きました。余り染之助が私を見るので、私の傍に....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ち始めて、今お梶の姿となって、ぐんぐん迫って来るように覚えた。 藤十郎のお梶を見詰める眸が、異常な興奮で、燃え始めたのは無論である。人妻であると云う道徳的な柵....
入れ札」より 著者:菊池寛
輝かした。過半数のものは諦めていたが、それでも銘々、うぬぼれは持っていた。壺皿を見詰めるような目付で、喜蔵の手許を睨んでいた。 「あさ、ああ浅太郎の事だな、浅太....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
乎返事をお為よ。」 お杉は窪んだ眼を異様に輝かして、対手の顔を穴の明くほど凝と見詰めると、お葉は少しく茫となって来た。 「え、判ったかえ。」 低声に力を籠め....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に瞳を据え遠慮なく凝と見るということはしない。まず活きた仏のようであるから余りに見詰めると自分の眼が潰れるというような馬鹿な考えを持って居る。私は充分に見ました....
」より 著者:岡本かの子
一人使いの手柄を早く姉に誇ろうと気負い込み、一心に顔を緊張させ、眼は寮の方ばかり見詰めるだろう。そして船頭に渡賃を云われて小銭を船頭の掌に渡すあの子は、もう一度....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
思うと身も心も切り刻まれるほど苦しみました。私の夫の顔を、校中の学生たちがみんな見詰める。そう思うだけでも夫が汚されたように考えるのでした。そして夫が学生たちに....