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「見誤り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見誤りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地獄街道」より 著者:海野十三
病気だネ」 「そうよ」 「それで判った。僕のグラスの無色の酒を黄色のコンコドスと見誤り、自分の黄色のコンコドスを、もっと黄色い別の酒と見誤ったのだ。だからコンコ....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
張るんです。そこで裁判長から、証人に対して時間の点や、被告と対決さしてその人相に見誤りはないかなぞと念押しがあり、検事さんと弁護士の押問答があって、結局判決は次....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
たい。喜平は男です。喜平を知る人の為には一命を惜まないのです。で、どうぞ喜平を御見誤りなしに能く御了解下されて、速に保釈なり責付を御許可いたゞけますよう、御許可....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
集五郎は、頂きに立つと手をかざし、山の向こう側を見下した。と、山の裾の草の中に、見誤りはない山本という武士が、俯向《うつむ》けになって斃れている。肩を大袈裟に切....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
うになっているんですが、それが池の中に浮いているんです……」 「間違なしですか。見誤りじゃないでしょうね」 「いいえ、決して間違いではありません。わたくしは念の....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
玉法学士の目のあやまりだよ」 室戸博士は、三つとも否定した。 「いや博士。僕は見誤りなんかしませんです。たしかに怪物の姿が、まるで水蒸気が消えるように消えてし....
辞典」より 著者:戸坂潤
して単なる封建的勢力の高揚だとしか見ない者があるとすれば、それは日本主義の本質を見誤り、それの処理法を誤るものでなくてはならぬ。日本精神は明らかに日本に強力に残....
森先生」より 著者:芥川竜之介
とあり。おや、先生だったかと思いし時は、もう斎場へ入られし後なりき。その時先生を見誤りしは、当時先生の面の色黒からざりし為なるべし。当時先生は陸軍を退かれ、役所....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
のように曲げたかと思うと、船縁を越して水の中へ真っ逆様に落ち込みました。わたしの見誤りではありません、その男の左の眼から銀の線のようなものが、星の光にキラキラ光....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
というのも、ステツレルに対する懺悔の印なのじゃ。 なぜなら EL のEは、Fの見誤りで、次にあるDの字は、腐肉に現われた自然の斑文。その時、ベーリングは、Dの....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ければ、深夜に、躄り車などに乗り、刀を背負い、現われ出で、自分を来栖勘兵衛などと見誤り、ガムシャラに斬ってなどかかる筈はない。(俺は、狂人を相手にしていたのか)....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
物皆濁れる黄色に見ゆ、さればこそ余は先刻死せる海賊の巨魁を、生ける恐ろしき人間と見誤りしなり。 ああかかる不思議なる光景は世界のどこにありや、余は二三分間黙考....
御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
と、女の顔は傘にかくされてやはり見えないが、その着物は確に白地で、桔梗の中形にも見誤りはなかった。彼女は痩形の若い女であるらしかった。 正体は見とどけたが、不....
生不動」より 著者:橘外男
くおぼろ気ながらに、この場の様子が呑み込めてきた。走り狂っていると思ったのは私の見誤りであった。 男一人と女二人、全身火焔に包まれた年若い娘の火を揉み消そうと....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
そっくりといったのでは当りません。間違いもないジーナその人なのです。決して、私の見誤りではないのです。 なぜ一言の知らせもなく、東京へ来ているんだろうか? 東....