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見誤る
「見誤る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見誤るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
時代の人相書などは極めて不完全なものであるから、疑いの眼をもって見れば、鷺を烏と
見誤るようなことが無いとは云えなかった。雑司ヶ谷から帰って来た白井屋の女房は、遠....
「地球盗難」より 著者:海野十三
が、それを知らない人はその巨人の姿がはるか向うの空間にあると思うと、莫迦に大きく
見誤るのだ。それと同じことを、いま目の前に手をかざしてみても実験できるよ」 と....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ている。一つは事物の客観的な力関係乃至比重を、主観的な利害やひいき目から、実際に
見誤ることであり、もう一つは夫を故意に他人に見誤らせるように仕向けることである。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
観察するの余裕を持っていた駒井甚三郎が、その物音や、気配を察して、人間と動物とを
見誤るほどの未熟者ではないはずです。 科学者であるこの人は、狐に関する迷信の類....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
れがとりも直さずブルジョア哲学とプロレタリア哲学(マルクス主義哲学)であることを
見誤るまい。丁度一切の社会機構がこの二つの階級の性格を著しくしつつある。之がイデ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ででもあるように考えられることになるのだが、それはものの弊害を以てものの本質だと
見誤ることであって、実は一般に批評というもの自身の性質から云って、元来匿名的な意....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はっきりと見える。海の波も、陸の色も変りはない。ひとり、この眼でマドロス君だけを
見誤るはずがない。そこで、茂太郎は二度《ふたたび》、大きな声で呼んでみました、 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ては浮び来《きた》る物体がある。予備知識がもう十二分に出来ているから、誰もそれを
見誤るものはない。しかも、浮きつ沈みつして、上になり下になり流れ漂う物塊は、人間....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でいるのを見ることができます。 この時に、素人は、どうかすると相模川を多摩川と
見誤ることがあります。ややあって多摩川を発見して、あれは利根か知らんと訝《いぶか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
経が働くからな、注意すまいと思うても、物影の有る方に注意は向くよ、植物と人間とを
見誤るほどに、わしは酔うてはいないのだ」 その返答を聞いて、なるほど、夢のよう....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
によって刃が鋭くなされていた。この悲観思想は、自然と理性との根本的な敵対を少しも
見誤ることがなく、邪悪な自然にたいする、抽象的な自由、抽象的な正義、抽象的な真理....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
れたかの如く見るからである。ロッツェの言葉を用いれば空間そのものを空間内の形像と
見誤るからである。空間の結合なる概念は始めから成り立たない。カントが指摘した処の....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
でなく、十分の経験と周到な用意を持ってしないと、往々にして他の原因で凝集するのを
見誤る場合があるから、経験の足りないものの測定は危険性があるという事を、強調して....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
の蔭からそっと抜け出す人影を、暗やみのなかにみとめ、一心に見つめて立ちつくした。
見誤るはずがなかった。電光がひらめいてその人影を照らしたので、その形がはっきりと....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
づいて観察できるという特権である。着物の下を見るならば、われわれはけっして女人を
見誤ることはないであろう。 シシの魂、すばらしい身ぶり――そのような英雄らしさ....