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見返り柳
「見返り柳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見返り柳の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
六だけを宿に残して、それからほとんど一夜も欠かさずに廓《くるわ》へかよった。彼は
見返り柳の雨にほととぎすを聞いたこともあった。待合いの辻の宵にほたるを買ったこと....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
月の初午《はつうま》は雨にさびれて、廓の梅も雪の消えるように散ったかと思う間に、
見返り柳はいつかやわらかい芽を吹いて、春のうららかな影はたわわになびく枝から枝に....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
《すみよし》町、難波《なんば》町、江戸町の五カ町内二丁四方がその一郭で、ご存じの
見返り柳がその大門通りに、きぬぎぬの別れを惜しみ顔で枝葉をたれていたところから、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
向かったところは、九番てがらの達磨《だるま》霊験記で詳しく地勢を述べておきました
見返り柳の、あの柳町なる旧吉原です。怪猫のあとをつけていったのもむろんのことでし....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
、大井川の川止め、江戸へ出ると三社前の水茶屋女、見覚えのある編笠姿、たそや行燈、
見返り柳、老父の病いを癒すべく朝鮮人蔘を得るための娘の身売り、それを助ける若侍、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のままには見過ごし難いから、あとをつけると、件《くだん》の覆面は人混みに紛れて、
見返り柳をくぐり土手へ出て、暫く行くと辻駕籠《つじかご》を呼びました。 それを....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
伺いますが、吉原では何という遊女屋が有名ですか」 ついうかうかと考え込みながら
見返り柳の辺りまで来た時に、斯う後から訊く者があった。国太郎が振返って驚いた事に....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ああ、五十|間の裏だよ。孔雀長屋という所にいるの」 「そんな所があるのかい」 「
見返り柳のすぐ下でね、オハグロ溝が側にあるよ、いつ帰っても、賑やかだから怖かない....