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見違える
「見違える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見違えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
青空がまばゆく切れ目切れ目に輝き出していた。青灰色によごれていた雲そのものすらが
見違えるように白く軽くなって美しい笹縁《ささべり》をつけていた。海は目も綾《あや....
「或る女」より 著者:有島武郎
て努力するように笑顔《えがお》を作ってもう一度古藤を顧みた。
「あの時からすると
見違えるように変わられましたな。わたしも日清《にっしん》戦争の時は半分軍人のよう....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
れない」 「そんなこともなかろうが、しかし、もしそうだったら困ったものだね。君は
見違えるほど体など肥って来たようだがね」 事実、柚木はもとよりいい体格の青年が....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ぼきゅうり》のような血を取る動物、こいつは蛭《ひる》じゃよ。
誰《た》が目にも
見違えるわけのものではないが、図抜《ずぬけ》て余り大きいからちょっとは気がつかぬ....
「鮨」より 著者:岡本かの子
った。子供はそれから、だんだん平常の飯の菜にも魚が喰べられるようになった。身体も
見違えるほど健康になった。中学へはいる頃は、人が振り返るほど美しく逞しい少年にな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
開ける。粋で、品の佳い、しっとりした縞お召に、黒繻子の丸帯した御新造風の円髷は、
見違えるように質素だけれども、みどりの黒髪たぐいなき、柳橋の小芳であった。 立....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ことを知った私は、どんなに心が軽くなったことでしょうか。それからというものは私は
見違えるように家の中でも快活になって何事も知らぬ母親を驚かしたり喜ばせたりしまし....
「蠅男」より 著者:海野十三
でブラリと散歩に出かけたこの客人が、昼食にも晩餐にも顔を見せず、夜更けて、しかも
見違えるように憔悴して帰ってきたのだから。 「えろうごゆっくりでしたな、お案じ申....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
たくしが、父の通夜明けの春の宵に不忍の蓮中庵ではじめて会った雛妓かの子とは、殆ど
見違えるほど身体にしなやかな肉の力が盛り上り、年頃近い本然の艶めきが、坐っている....
「橋」より 著者:池谷信三郎
世界風俗展で、巴里の人形が着ていたのですが、と言った。 すっかり着こむと、彼は
見違えるほどシャンとして、気持が、その粗い縞のズボンのように明るくなってしまった....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
方、)といって、ふいと見ると驚いたが、よくよく見ると旦那なのよ。旦那は旦那だが、
見違えるほど瘠せていて、ま、それも可いが妙な恰好さ。 大きな眼鏡のね、黒磨でも....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
うにも仮想させた。彼は下町に在る大学からの帰途、アイリスを訪ねた。その都度二人は
見違えるような新生面を以って向い合った。色々の事が談したかった。些細な事まで聴き....
「米」より 著者:犬田卯
ないから、死ぬとも生きるとも。」そんなことまで口走った彼女だったが、いまこうして
見違えるほどな若者になって帰っているのをみると、やはり出してやるしかなかったし、....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
――あなたは幸福に暮らしていられるんでしょうな」と云ったが、みなりこそ立派だが、
見違えるほど面瘻れした彼女を見ては幸福な生活をしている者とはどうしたって思われな....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
たのがまた私には嬉しゅうございました。 半年ばかり会わなかった間に、綾子さんは
見違えるほど面瘻れして、大きな眼がますます大きく、ふっくりしていた頬の肉もすっか....