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見遣る
「見遣る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見遣るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
を炙るにぞ、面は蒼ざめ紅の唇|白歯にくいしばりて、ほとんどその身を忘るる折から、
見遣る彼方の薄原より丈高き人物|顕れたり。 濶歩埋葬地の間をよぎりて、ふと立停....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
をのべつ幕無しふんだんに飛び出させる京伝の口を、寧ろ皮肉な眼付きをして、じろじろ
見遣るばかりであった。 「それはさておきご相談……」 と、京伝は落語でも語るよ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て、すわや消えんとしては燃え出づる、その都度|夜商人は愁わしげなる眉を仰向けに打
見遣る、大空は雲低く、あたかも漆で固めたよう。 蒼と赤と二色の鉄道馬車の灯は、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
悪い。となおそこここを見廻せしが、何者をか見たりけむ。わっと叫ぶに泰助も驚きて、
見遣る座敷の入口に、煙のごとき物体あって、朦朧として漂えり。あれはと認むる隙も無....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
つゝ、
囁を聞せまつらん。
ファウスト
己はこれでも覚めている。己の目の
見遣るあそこに、譬えようのない
あの姿を、あのままおらせて貰いたい。
不思議な程....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
におる。二人とも、何を掘っているのか、地へしゃがみ込んで」 助九郎が指さす所を
見遣ると――なるほど伊織と丑之助が、すこし間をへだてて、わき目もふらずに、土を掘....