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見開く
「見開く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見開くの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
腹を察し得なかったらしい。何か思案しながらジッと閉じていた眼を、やがて嬉しそうに
見開くと、両手をポンとたたき合わして椅子をスリ寄せて来た。 「――それじゃアンタ....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
で呼びながら、私の胸の上に手をかけて、揺すぶり起す者がある。ハッと気が付いて眼を
見開くと、痛いほど眩しい白昼の光線が流れ込んだので、私は又シッカリと眼を閉じてし....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
ぬと観念したらしく、平馬の大喝の下に息を切らしながら眼を閉じたが、又も思い切って
見開くと、火のような瞳を閃めかした。 「……ヒ……卑怯者ッ。その讐仇を討つのに…....
「海底都市」より 著者:海野十三
った――。 ちりちりちりちりン。 警鈴《けいれい》が鳴っている。 僕は目を
見開く。まぶしい金属壁《きんぞくへき》の反射である。 (ほう、ここは見覚えのある....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
次の瞬間には龍介は道ばたの雪やぶの中に手をついていた。片方の眼がひどく痛かった。
見開くことができなかった。龍介は高いところから落ちた子供が、息がつまって、しばら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てます。 こんな晩だったな――そこで、与八はゾッとして、塞《ふさ》いでいた目を
見開くと、運転を止めた水車小屋の荒涼たる梁《はり》から軒《のき》、高いところは一....
「古井戸」より 著者:豊島与志雄
ながら、少しも眠らないで眼を見開いていた。眼瞼を閉すことがあっても、ふいに大きく
見開くのだった。 「元気を出さなきゃいけません。しっかりするんです。私がついてて....
「桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
そして女はすでに息絶えていました。 彼の目は霞んでいました。彼はより大きく目を
見開くことを試みましたが、それによって視覚が戻ってきたように感じることができませ....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
って、最後にはじめて何物をもたよりにしないところの信仰というものが、はじめて目を
見開くのであると思います。 ご承知の臨済という偉い禅宗の僧があります。この人は....
「火の扉」より 著者:岸田国士
み寄つた。 すると、北原ミユキは、いつたん眼を伏せたが、すぐに、その眼をカッと
見開くようにして、 「浜島のこと、あんた、どうお思いる? ほんとにそんなわるいこ....
「エレオノラ・デュウゼ」より 著者:和辻哲郎
上がって、その人のそば近くに腰を掛け、ほとんど顔が相触るるまで接近して、眼は広く
見開く。大きな鳶色の瞳を囲んでいる白い所がすっかりと見えるほどだ。時々身ぶりをす....