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見頃
「見頃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見頃の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
とが判った。 白昼強盗事件と云うのはこう云う事件であった。 花ももう二三日で
見頃と云う四月の初旬であった。どんよりと曇った日の正午、××ビルディング十階の東....
「九州の東海岸」より 著者:宮本百合子
って濃緑、臙脂、ぱっとした茶色などの混った若芽が芽ばえ出している。ちょうど若葉の
見頃な楓もあったが、樹ぶりが皆、すんなり、どちらかというと細めで素直だ。石南花な....
「祇園の枝垂桜」より 著者:九鬼周造
して行った午後にはもう青葉まじりになってチラリチラリと散っていた。七、八分という
見頃から満開にかけてはとうとう見損ってしまった。 更に数日後に、花がないのは覚....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
「ああ好いこと」と云いながら二人は切株に腰を下ろし、咲きも終わらず散りも始めぬ、
見頃の桜に見取れていた。 と、そこへバラバラと五六人の人影が現われた。一見して....
「謎の女」より 著者:平林初之輔
「貴方《あなた》梅園へいらして?」 「いいえ、まだ行きません」 「ちょうど今が
見頃だそうですわ」 「そうですか、じゃ見てくるかなあ」 龍之介は自然に対しては....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
それにお上《かみ》の御政事《おせいじ》とばかり極《きま》ったものではない。春の花
見頃|午前《ひるまえ》の晴天は午後《ひるすぎ》の二時三時頃からきまって風にならね....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
琶の工夫をしているのだとか聞きまする」 「……。ふうむ」 「二十日といえば、月の
見頃はすこし過ぎますが、せっかく、東宮もその覚一を御所へ呼んで、お愉しみにしてお....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
らしく、外記は時々、タレを上げて先の方を覗いていた。 白、紅、所々の畦や堤に、
見頃の梅花が眺められる千住道を、蛾の行列みたいに、ぞろぞろと人が出る。 磔刑の....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
野を眺めながら――、 「ありがたいな、田の稔りも、今年は良かったとみえる。紅葉も
見頃。百姓たちの顔色も明るいぞ」 道連れの男と、こんなことを、大声で話したりし....