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見飽きる
「見飽きる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見飽きるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
はてな」と思った。彼は子供のときから青年期まで金魚屋に育って、金魚は朝、昼、晩、
見飽きるほど見たのだが、蛍の屑ほどにも思わなかった。小さいかっぱ虫に鈍くも腹に穴....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
た気持ちで外へ出て、そうして連れに別れて一人でぶらぶら公園を歩いていると、いつも
見飽きるほど見馴れた公園の森や草木が今までかつて見たことのないように異常に美しく....
「田園雑感」より 著者:寺田寅彦
事ができるはずのものである。できなければそれは目が弱いからであろう。一年や二年で
見飽きるようなものであったら、自然に関する芸術や科学は数千年前に完結してしまって....
「身辺打明けの記」より 著者:宮本百合子
すが、わたくしはそう思いません。霧だの靄だの雲だの虹だののさまざまな変化は容易に
見飽きるものではありません。殊にわたくしは、湖水や溪流のある山を好みます。ですか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て正面を切りながら、 「鐚、おれは今日まで、市井一般の暗い方の世の中は、ずいぶん
見飽きるほど見ている身だが、眼をあげて、天下の大勢という勢いを見る暇がなかったん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その晩のうちに、二人の腹がきまってしまいました。お絹としては、まだ見ぬ花の都を
見飽きるほど見て帰れるし、それは、れっきとした後ろだてがあって、体面が保てて、生....
「審判」より 著者:カフカフランツ
レースのあらゆる模様、へんてこな総、上着のあらゆる曲線を彼はよく知ってはいたが、
見飽きることがなかった。あるいはむしろ、もうとっくに見飽きているのか、あるいはも....
「熊」より 著者:神西清
屯しとりまして、その士官さんたちといや――色とりどりのボンボンみたようで、見ても
見飽きることじゃねえ! その営舎じゃ、金曜といや、かならず舞踏会があるし、それに....