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見馴れる
「見馴れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見馴れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「足迹」より 著者:徳田秋声
も同じように飾られてあった。来た当座は寂しいその店などは、目にも留らなかったが、
見馴れるにつれて、思いのほか奥行きのあることも知れて来た。幽暗い帳場格子のなかで....
「南路」より 著者:宮本百合子
繕って腕組みする同じ黒人のポータア等を眺めているのである。 故国の停車場などで
見馴れる情景が、次第に自分等の心持を寛《くつ》ろがせた。 二人三人、後から来た....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
あり、いずれも悪妻、この京育ちの美女は後者に属しているらしく、夫の憎むべき所業も
見馴れるに随い何だか勇しくたのもしく思われて来て、亭主が一仕事して帰るといそいそ....
「申訳」より 著者:永井荷風
すぶり、一語《ひとこと》一語《ひとこと》に手招ぎするような風に手を動す癖がある。
見馴れるに従ってカッフェーの女らしいところはいよいよなくなって、待合か日本料理屋....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ものです。魚屋は両方ともソーダ松魚といって売りますけれども味は大層違います。形は
見馴れると少し違いますがよく似ていますから急に分りません。ソーダの方はマンダラよ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
え。それほど窶れたわが身かと、はっと思っただけなのです。朝夕、鏡は見ていますが、
見馴れるとあたりまえに見えるのでしょうね」 「むりはないことだ。いやつまらん冗談....