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規矩
「規矩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
規矩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
よそ社会の中堅をもってみずから任じ、社会救済の原動力、社会|矯正《きょうせい》の
規矩《きく》標準をもってみずから任じていた中流知識階級の人道主義者」を三種類に分....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
理的言表の潜勢性を現勢性に化せんとする概念的努力は、実際的価値の有無または多少を
規矩《きく》とする功利的立場によって評価さるべきはずのものであろうか。否《いな》....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
に対する無頓着さを現わしていたが、しかし、憐れに幼稚なところもあった。名前は春日
規矩男と書いてあった。 書面の要求は初めの手紙と同じ意味へ、返事のないのに焦れ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
びているのが、信者達の住む市街であった。 家数にして五百軒、甍を並べ軒を連ね、
規矩整然と立ち並んだ態は、普通の町と異りがない。 ただいかにも平和であった。 ....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
っている私の家の願書控を見ると、次のようなのがある。 「私妹此度藤村十兵衛世倅
規矩太郎妻に所望御座候に付、応下候頼存候、已上。 慶応三年丁卯四月十一日 河....
「南さんの恋人」より 著者:豊島与志雄
がるというので少しずつ文字を習わせていたのだ――交際の範囲及び程度、凡てのことが
規矩整然と行われた。それから南さんの性慾の問題も適宜に。その上、山根さんは相当な....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
激な反動の連続――極端から極端への飛躍の連続だった。あるいは、非人間的禁欲主義の
規矩《きく》に生活を押込もうとした。そしてもはや物を食べず、水を飲み、歩行や労苦....
「敬語論」より 著者:坂口安吾
ったり贈ったり、香典だの香典がえしだのと、すべて人間の真情に即さゞる形式が生活の
規矩をなしており、生活が真情に即していないのだから、言葉が真情に即さなくなる。つ....
「太宰治情死考」より 著者:坂口安吾
よって、裁かれ、苦悩しているものだ。 常時に戦争である芸道の人々が、一般世間の
規矩と自ら別な世界にあることは、理解していたゞかねばならぬ。いわば、常時に於て、....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
から設色まで融川一人で腕を揮った。樹木家屋の遠近濃淡漁舟人馬の往来坐臥、皆狩野の
規矩に準り、一点の非の打ち所もない。 「ああ我ながらよく出来た」 最後の金砂子....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
。アリストテレスの『ポエティカ』を始めとしスカリゲルやボアローなどに至るカノン(
規矩)主義的な批評精神に反抗して、今日の新しいクリティシズムは、作品をば、規格品....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
画の理解があればあるほど狩野派とか四条派とか南宗とか北宗とかの在来の各派の画風に
規矩され、雪舟とか光琳とか文晁とか容斎とかいう昔しの巨匠の作に泥んだ眼で杓子定規....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
った。陸や浜田は早くも去って古川一人が自恃庵の残塁に拠っていたが、区々たる官僚の
規矩を守るを屑よくしないスラヴの変形たる老書生が官人気質の小叔孫通と容れるはずが....
「文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
問いが起る。 人間の知識的生長は、いうまでもなく最も個人的である。従って一定の
規矩を以て、その生長を制限することは、極めて愚しい事である。殊に才能の点に於て特....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
にすぎません。しからざれば、趣味としてにとゞまります。世間に出るに及んで、生活の
規矩を政治、経済に求むるが、むしろ当然だからです。 さらば、何故に児童文学が振....