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視力
「視力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
視力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
びしさを、負うている傷の痛みよりも、より鋭く味わわされた。しかも、刻々衰えて行く
視力には、次第に周囲の光景が、ぼんやりとかすんで来る。ただ、自分の上にひろがって....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
は巧《たく》みに話頭を転換した。がこれは何も眇の表情を気にしたわけではない。彼の
視力は幸福なことに(?)もうそれがはっきりとは見えないほど、衰弱していたのである....
「或る女」より 著者:有島武郎
にかく葉子はがやがやという声をだんだんとはっきり聞くようになった。そしてぽっかり
視力を回復した。見ると葉子は依然として貞世の病室にいるのだった。愛子が後ろ向きに....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ち、逓信省の青年技師|利根川保君が設計したテレヴィジョン回転鏡が閻魔大王のような
視力を持っていたのだった。 この地下街には、別に、東と西とへ続く、やや狭い坑道....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
と、私は大機嫌であった。 ◯眼疾あるために、空を見れば一面に水玉があらわれ、また
視力も落ちていて(おまけにややミストあり)今日ははっきり味方機の活動を見る事が出....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ているわけさ」 聞けば聞くほどふしぎな話だった。その幸運な一等運転士も、やはり
視力はおとろえていた。 それでも、夏の朝霧のなかに鳥がとんでいるのが見えるほど....
「空襲警報」より 著者:海野十三
れを早く防空監視隊本部を経て防衛司令部に知らせる役目があるが、この防空監視哨を、
視力が弱い者でも立派にやれるんだ」 「まさか、そんなことが……」 「笑い事じゃな....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
三十四 滝太郎はかつて勇美子に、微細なるモウセンゴケの不思議な作用を発見した
視力を誉えられて、そのどこで採獲たかの土地を聞かれた時、言葉を濁して顔の色を変え....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
草に親まない二十前にも見えないことはなかった。僕は又はじまったなと思い、左の目の
視力をためす為に片手に右の目を塞いで見た。左の目は果して何ともなかった。しかし右....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
、読み切りそうもない本を買ったりする如き。 十一、妄に遊蕩せざる事。 十二、
視力の好き事。一しょに往来を歩いていると、遠い所の物は代りに見てくれる故、甚便利....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
て来る霊の世話をする。死んだ当時は非常に世の中が暗いが、だんだん修行している中に
視力が恢復して来る。つまり夜が夜明けになって昼間になって来るように、だんだん明る....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
稿|成るや、先生一本を写し、これを懐にして翁を本所の宅に訪いしに、翁は老病の余、
視力も衰え物を視るにすこぶる困難の様子なりしかば、先生はかくかくの趣意にて一篇の....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
もとより疼痛を伴わなかったのであろう、余り問題としなかったらしい。が、既に右眼の
視力を奪われたからには、霜を踏んで堅氷到るで、左眼もまたいつ同じ運命に襲われるか....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
んは、心のなかでそう思った。男は、よわよわしい調子で、 「そのうえ、けがのために
視力がすっかりよわってしまってね。ときどき痛みだすと、何時間も暗がりの中で、じっ....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
者たるに終ろうとしつゝあるようだ。あの特異な自然を活かして働かすような詩人的な徹
視力を持つ政治家は遂にあの土地には来てくれないのだろうか。 最初の北海道の長官....