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視神経
「視神経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
視神経の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
白い山」だけなら、理解力の幼稚な小児でも言える。私どもの知識欲は、この荘厳にして
視神経を刺戟する程度の強さが、容積の大から来るそれに匹敵する山岳に対して、もう少....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
らさき》と藍《あい》であった。やがて、そのうちの黄と紫が動き出した。自分は両眼の
視神経を疲れるまで緊張して、この動くものを瞬《またた》きもせず凝視《みつめ》てい....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
《むとんじゃく》な性質《たち》である。――そこでこの赤い山が、比較的烈しく自分の
視神経を冒《おか》すと同時に、自分はいよいよ銅山に近づいたなと思った。虫が知らせ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
外線も、同じ光線でありながら、普通、人間の眼には感じない。つまり人間の網膜にある
視神経は、紫から赤までの色を認識することが出来るが、紫外線や赤外線は見えないとい....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
エル上人の手! それがこの、二重の鍵に鎖された扉を開いたとは……。事実、法水の透
視神経が微妙な放出を続けて、築き上げた高塔がこれだったのか。しかし、検事も熊城も....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
して、眼球の内圧の亢進によるのですから、眼球は硬くなりますが、眼底の検査をして、
視神経が眼球を貫いて居る乳頭と称する部分が陥凹して居るのを見なければ、客観的に診....
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
料は、いずれも直接間接に吾人の五感を通じて供給されるものである。生まれつき盲目で
視神経の能力を欠いた人間には色という言葉はなんらの意味を持たない、物体の性質から....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
かわりに、マイヅル草の白い小花が、米粒でも溢したように、暗く腐蝕した落葉の路に、
視神経をチクリとさせる、木の根には蘚苔が青々として、水がジクジクと土に沁みこみ、....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
掌っていればことは足りるのであります。したがって絵の仕事のみ夢中になっていると、
視神経は驚くべき敏感さを増してくる。普通人には見えないところの色彩を画家は認め、....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
8)によれば、空間感覚は、特殊の神経や感覚内容の一群に基くのではなくて、一般的に
視神経と触神経とに於ける神経の固有な配置によって生じる、夫は一般感覚だと云うので....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
がうわたしの方へ 警官をかけよらせながら、 ビラは降る ビラはふる 視野を包囲し
視神経を疼かせ 粟粒するひろしまの灯 盛りあがった傷痕の ケロイドのつるつるの皮....
「夏の小半日」より 著者:寺田寅彦
俗に明き盲というものがあります。両の目は一人前にあいていながら、肝心の
視神経が役に立たないために何も見る事ができません。またたとい目明きでも、観察力の....
「温浴」より 著者:坂口安吾
のきくシロモノだということが分ってくる。 そして、徹夜の仕事を連続していると、
視神経の疲れが何よりの悪刺戟になることがのみこめてくる。もっとも、私は強度の近視....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
いのは、じつは、どうしてもあきらめきれないことがあるからなんです。…私のは、単性
視神経萎縮《アトロフィア・ネルヴィ・オプチジ》という厄介《やっかい》な眼病で、手....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
丈と測られた大瀑布も、空恐ろしき迄に荒らかな周囲の物象に威嚇されて極度に緊張した
視神経を刺激するには、余りに繊細であった。動揺する瀑の水よりも、其下に湛えた藍色....