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視角
「視角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
視角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
衣《ねまき》の上に厚い外套《がいとう》を着て葉子のほうに近づいて来たのを、葉子は
視角の一端にちらりと捕えた。夜でも朝でも葉子がひとりでいると、どこでどうしてそれ....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
って描き直すことである。もし社会主義の思想が真理であったとしても、もし実行という
視角からのみ論ずるならば、その思想の実現に先だって、多くの中間的施設が無数に行な....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
りだ。 目を挙げて見るもの、それは凡てが神秘である。私の心が平生の立場からふと
視角をかえている時、私の目前に開かれるものはただ驚異すべき神秘があるばかりだ。然....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に遠ざかるような運動をしていることを認めた。そうしてこの現象の説明として、物体の
視角がその物に近寄る人にはだんだん大きくなり、遠ざかる人には小さくなるという事実....
「疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
のテンポを実測するのが近道であろう。鳥の大きさが仮定できれば単に仰角と鳥の身長の
視角を測るだけで高さがわかるし、ストップ・ウォッチ一つあればだいたいのテンポはわ....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
のになった。実物と思って見ているのが実は鏡の中の虚像で鏡より二倍の距離にあるから
視角はかなり小さくなっている。それに画布のほうは手近にあるものだから、たとえ映像....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
舞台の上で演ぜられ、観客は自分の席に縛り付けられて見物している。従ってその視野と
視角は固定してしまっている。しかし映画では第一その舞台が室内にでも戸外にでも海上....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
もっと人間のこの特権を充分に発揮していたことになるかもしれない。 十五
視角 はじめて飛行機に乗った経験を話している人が、空中から見た列車の長さがたっ....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
たがあいにく山頂には密雲のヴェールがひっかかっていて何も見えない。しかし山頂から
視角にしてほぼ十度ぐらいから以上の空はよく晴れていたから、今に噴煙の頭が出現する....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
欄干があり、前が厚い硝子張の横に長い窓になっていた。通路を一巡すれば、上下相当の
視角にわたって四方八方が見渡せるのであった。 部屋の中央部は、大きな円筒型の壁....
「観点と距離」より 著者:寺田寅彦
遠方から見る場合にはもはやふり仰いで見る心持はなくなって、眼とほぼ同水平面にある
視角の小さな物体を見ることになるので、それで上下と左右の比率が正しく認識されるの....
「探偵小説とは」より 著者:坂口安吾
なければならぬ。 ところが、パズルの新手は、すべての独創と同様に、自分の既成の
視角を切りくずして、新角度を見出すところから始まるという性質のものであるから、一....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
ひもどくや、自分の悩んでいる諸問題がそこに取り扱われ、解決を見出さんとして種々の
視角と立場とより俎上にあげられているのを見て、人事ならぬ思いを抱くであろう。たと....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
一 予言者のふたつの資格 日蓮を理解するには予言者としての
視角を離れてはならない。キリストがそうであったように、ルーテルがそうであったよう....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の翅に籠めて、五たび六たび空を搏つと共に、双翼に風を張って悠揚自在に翔して行く。
視角の仰のくに連れて、直線はいつしか弧となり半円となり、終に空中に大圏を画きなが....