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覗
「覗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
うには男女《なんにょ》が何人も動いている。少年はそこへ通りかかり、ちょっと内部を
覗《のぞ》いて見る。
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頭を刈《か》っている男の横....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
る夕方私が散歩かたがた、本願寺別院《ほんがんじべついん》の裏手にある本屋の店先を
覗いて見ますと、その頃評判の高かった風俗画報と申す雑誌が五六冊、夜窓鬼談《やそう....
「影」より 著者:芥川竜之介
の窓から、そっとこの部屋の中を、――」
しかし老女が一瞬の後に、その窓から外を
覗《のぞ》いた時には、ただ微風に戦《そよ》いでいる夾竹桃の植込みが、人気《ひとけ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
そく》洋服に着換え出した。僕は彼に背《せ》を向けたまま、漫然とブック・マンなどを
覗《のぞ》いていた。すると彼は口笛の合い間《ま》に突然短い笑い声を洩らし、日本語....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
を口にしていた。その内にふと気がつくと、誰《たれ》か一人幕の陰から、時々こちらを
覗《のぞ》くものがある。が、僕はそちらを見るが早いか、すぐに幕の後《うしろ》へ隠....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
かずき》を嘗《な》めていた。そうして何か冗談《じょうだん》を云っては、お蓮の顔を
覗《のぞ》きこむと、突然大声に笑い出すのが、この男の酒癖《さけくせ》の一つだった....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
前に跳《おど》り出した。赤い筋のある軍帽が、半ば裂けた間からは、いが栗坊主の頭が
覗いている。何小二はそれを見ると、いきなり軍刀をふり上げて、力一ぱいその帽子の上....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
《すいしよう》のような水を透き徹して、三途《さんず》の河や針の山の景色が、丁度|
覗《のぞ》き眼鏡《めがね》を見るように、はっきりと見えるのでございます。
する....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
半之丞の子と言うのは。」
「な」の字さんもわたしも足を止めながら、思わず窓の中を
覗《のぞ》きこみました。その青年が片頬《かたほお》に手をやったなり、ペンが何かを....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、夏外套《なつがいとう》をひっかけたまま、うす暗い梯子《はしご》の上り口へ胸まで
覗《のぞ》かせているだけだった。
「どうもお律《りつ》の容態《ようだい》が思わし....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
日 俺は今日|午休《ひるやす》みに隆福寺《りゅうふくじ》の古本屋《ふるぼんや》を
覗《のぞ》きに行った。古本屋の前の日だまりには馬車が一台止まっている。もっとも西....
「運」より 著者:芥川竜之介
っても居られませぬ。」
「成程。」
「そこで、戸の隙間《すきま》から、そっと外を
覗いて見ると、見物の男女《なんにょ》の中を、放免《ほうめん》が五六人、それに看督....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
と、思っていたのに違いありません。しかし実際は部屋の外に、もう一人戸の鍵穴から、
覗いている男があったのです。それは一体誰でしょうか?――言うまでもなく、書生の遠....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
はわからん」と忽ち僕を撲滅した。 丁度やはりその前後にちょっと「ホトトギス」を
覗いて見たら、虚子先生も滔滔と蛇笏に敬意を表していた。句もいくつか抜いてあった。....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れ懊悩としたる気分も洗い去りて清くなりぬ。ただ看れば橋の中央の欄干に倚りて川面を
覗き居る者あり。我と同感の人と頼もしく近寄れば、かの人は渡り過ぎぬ。しばしありて....