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覗き穴
「覗き穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覗き穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俘囚」より 著者:海野十三
な》から、下を覗《のぞ》いて見てくれない」 鉄蓋の上には楕円形《だえんけい》の
覗き穴が明いていた。縦が二十センチ横が十五センチほどの穴である。 「飛んでもない....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
かってしまう。それでは二ヶ月の苦心も水の泡だった。――押し戻された二人は、争って
覗き穴のところから顔をつきだし、まるで獣のように咆えたてた。 僕は鉄扉の外から....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
れた。――それは、先刻狼狽して釜場の方へ飛んで行った湯屋の女房であった。彼女は、
覗き穴へ当てた片眼の前で、余りにも唐突に職人の一人が声を発したので吃驚したのであ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ありません」 「そうかネ、フーム……」 と検事は大きな吐息をした。そして秘かに
覗き穴から、舞台を注視した。なるほど、ギッシリと詰った座席の彼方に、見覚えのある....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
た胸には、油然として羨望と一種の哀傷が湧き上って来た。 期待に期待した、最初の
覗き穴からの一瞥が彼の予想にそわないものであったため、強者の感じは一層深められた....
「心の河」より 著者:宮本百合子
ひとりでに微笑んだ。彼女は、良人の知らない心の望楼を、今夜のうちに拵えた。そこの
覗き穴から見ると、麦湯を呑みながら彼の心が何と呟いているか、はっきり判るように思....
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
てるんですから」 その看守は監房の前に立ってチラリと留置場入口の戸についている
覗き穴の方を振りかえり、それからこっちを向いてニヤニヤ笑いながら、 「うむ、よし....
「道標」より 著者:宮本百合子
た窓ガラスに乗客の誰かが丹念に息をふきかけ、厚く凍りついた氷をとかしてこしらえた
覗き穴がまるく小さくあいていた。その穴に顔をよせて外をのぞいていると、蒼白くアー....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
裏へ潜り込んだ処に在る、板の隙間から窺いている光景で御座います。
この天井裏の
覗き穴は、よく出歯亀心理に囚われた小使や、又は好奇心に駆られた新聞記者なぞがコッ....
「火星探険」より 著者:海野十三
このとき山木がびっくりしたように叫んだ。 そのとおりだった。デニー博士は箱車の
覗き穴へ自分の顔をぴったりと当てて、牛頭仙人とさかんに押問答をやっているようだっ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
孔』の怪焔も、おなじ意味合いのもんで」 「そうです。あれも、『大盲谷』中の一つの
覗き穴です。しかし、大盲谷をうずめる全部の油量は? セルカークさん、測れますかね....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
を乗って行くのか、何処へ向って行くのか、その方角すらも全く分らなかった。唯、幌の
覗き穴を通して、お玉を乗せた俥の先に動いて行くのと、町の曲り角へでも来た時に前後....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
」 「ところで、酒井さまのほうもそう抜かってばかりはいなかった。半刻ごとに金蔵の
覗き穴から中をのぞいて見ることになっていたもンだから、間もなく盗まれたということ....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
手なポーズをとらせながら、自分は寫場のわきの暗室みたいな所に居ましてね、その壁に
覗き穴みたいな小窓が切つてある、そこにカメラのレンズを突つ込んで寫すんです。寫場....