覗き込む[語句情報] »
覗き込む
「覗き込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覗き込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ラッシを引奪ると、窓掛をさらさらと引いて、端近で、綺麗に分けてやって、前へ廻って
覗き込むように瞳をためて顔を見た。 胸の血汐の通うのが、波打って、風に戦いで見....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
者様が真っ先になって、ドシドシお墓のところまでお行きになりましたが、立ち止まって
覗き込むようにしながら、 「こんなことだろうと思った」 そういって、私達へ早く....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
と上半身を突込むと、黒い大きな貝をひとつ拾いあげた。 「おや、面白い貝だね」私は
覗き込むようにして云った。「恰度鳥の飛んでいるのを横から見たような恰好だね。なん....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
縦室にいた井上順三が、何事ならんと驚いて、操縦室の横窓から、半身を乗出す様にして
覗き込む。と、そうだ。恰度その時を狙って、反対側の框に蹲っていた犯人は、素速く操....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
見れば隅の方になにか細かな文字が彫りつらねてある。警部補は、片手の電気を近づけ、
覗き込むようにして見た。 (第十七回の誕生日を祝して。1936. 2. 29) ....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
っても、短いことはありませんよ」 「ああ、そうですか」 東屋氏は、再び双眼鏡を
覗き込む。 雲の切れ目から陽光が洩れると、潮の林が鮮かに浮きあがる。どうやら仔....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
事は云わなくたって……」と田部井氏はここで語調を変えて、今度はジッと私の眼の中を
覗き込むようにして、「……不思議の材料は、始めから揃っておりますよ……とにかく、....
「食魔」より 著者:岡本かの子
た。表通りへ出てみたりまた横町へ折れ戻り、そして露路の中へ切れ込んだりした。彼が
覗き込む要所要所には必ず大小の食もの屋の店先があった。彼はそれ等の店先を通りかか....
「春昼」より 著者:泉鏡花
歳ばかりのと、男の児を三人連れて、その中の小さいのの肩を片手で敲きながら、上から
覗き込むようにして、莞爾して橋の上へかかって来ます。 どんな婦人でも羨しがりそ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、まだずッしりと手に応えて重い。 「お燗を直しましょうでござりますか。」 顔を
覗き込むがごとくに土間に立った、物腰のしとやかな、婆々は、客の胸のあたりへその白....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
人がお宿をいたします。お宅同様、どうぞお寛ぎ下さいまし。) と先へ廻って、こう
覗き込むようにして褥を直した。四畳半で、腰を曲げて乗出すと、縁越に手が届くんです....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
なかった。やがて助教授宮坂は日本人的のぎこちない真面目な顔付きでガルスワーシーを
覗き込むようにしながら氏の近作「銀の匙」と「白鳥の歌」に就いて発言しようと口を切....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
た。この小路の出口で半身、湯屋の格子を、間のある脊後に脊負って、立留って、此方を
覗き込むようにしたが、赤大名の襤褸姿、一足二足、そっちへ近づくと見るや否や、フイ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ねえ。」 「いえ、閏があろうとあるまいと、今日は全く十九日だろうな。」と目金越に
覗き込むようにして謂ったので、捨吉は変な顔。 「どうしたい。そうさ、」 「お前さ....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
っていましたが、自分も女の後を追うて死ぬ積りだったのでしょう。小枝に掴って、下を
覗き込むと目の真下に、恨みをふくんだ、それは恐しい斜視の眼がじッと見上げているの....