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覘
「覘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
取り直し、躍り狂う内儀の吭《のんど》を目懸《めが》けてただ一突きと突きたりしに、
覘《ねら》いを外《はず》して肩頭《かたさき》を刎《は》ね斫《き》りたり。 内儀....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
生命は無いものと覚悟していなければならないだろう。 決死の脱走計画 僕が
覘ったのは、この監禁室の入口の扉だった。 その扉は大きな鉄扉でできていた。壁は....
「階段」より 著者:海野十三
の気もなく三階にいつも上っていたのであるが、あそこは犯人と少くとも死んだ所長とが
覘っていたのに相違ない。犯人はそれを明らさまに他人に悟られることを恐れ、殊更図書....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
骨を折った女だったが、カッキリ半年も懸った。無論その半年の間、僕はこの女ばかりを
覘っていたのでは無く、沢山の若い女を猟りあるいている其の片手間に、一つの長篇小説....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
窓に向けられている。もっと精確に云うと銃口は、向いの窓の内から見える壁掛電話機を
覘っているのだった。――その電話機は、受話器が紐のままダラリと下っていた。思うに....
「怪塔王」より 著者:海野十三
うは本当に自分が勝ったんだと思って安心するんだ。そこで向こうが油断をする、そこを
覘って、こっちが攻めていく、どうだ、いい考だろう」 「へえー、では帆村おじさんは....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
く見える。誰一人として、あの五つの壁を仔細に検べようと思った者はない。僕はそこを
覘い、一旦封印をして表口を閉じた上で、側方の壁から特設の冷水装置をつきだして棺桶....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
だった。 「この野郎!」 と、ジャックは大喝一声、大きな拳固をかため杉田の頤を
覘ってがーんと猛烈なアッパー・カットを――。 「えーい!」 同時に鋭い気合が、....
「科学時潮」より 著者:海野十三
ミ弁当箱の内側にゼラチンのようなものをひいて置くと、奇妙に飯粒が附着しないことを
覘った特許願である。 種を明かして仕舞えば何でもないが、兎も角も「飯粒ノ附着セ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
と、倉庫にあるから只今持ってまいりますと、奥の方へすっとんでいった。それが帆村の
覘いどころで、彼は梯子にのぼったまま、身体の蔭になっている側のスコッチ・ウィスキ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
別があり過ぎる。その中で道節が短気で粗忽で一番人間味がある。一生定正を君父の仇と
覘って二度も失敗なっている。里見の防禦使となって堂々対敵しても逃路に待ち伏せする....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
の壇の端に、その写真の数々が重ねてあった。 押絵のあとに、時代を違えた、写真を
覘くのも学問である。 清水に洗濯した美女の写真は、ただその四五枚めに早く目に着....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
東片町に住った頃、近所に常磐津を上手に語る家があった。二葉亭は毎晩その刻限を
覘っては垣根越しに聞きに行った。艶ッぽい節廻しの身に沁み入るようなのに聞惚れて、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
業家連と盛んに交際し初めて、随分|待合入りまでもして渠らと提携する金儲けの機会を
覘っていた。が、二葉亭の方は心の底から真剣であっても、対手の方は少しもマジメに請....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
によってナポレオンの計画は実行一歩手前に於て頓挫し、英国は墺、露を誘引して背後を
覘わしめた。ナポレオンは一八〇五年八月遂に英国侵入の兵を転じて墺国征伐に決心した....