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親しく
「親しく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親しくの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
社長などもやはりこの部屋へ顔を出したものです。しかし最初の半月ほどの間に一番僕と
親しくしたのはやはりあのバッグという漁夫《りょうし》だったのです。
ある生暖《....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
りすがりに、嗅《か》ぐともなく嗅いだ河《かわ》の水のにおいも、今では年とともに、
親しく思い出されるような気がする。
自分はどうして、こうもあの川を愛するのか。....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
には白い杖を持っていた。」――これは、前に書いた肺病やみのサムエル・ウォリスが、
親しく目撃した所を、ペックが記録して置いたのである。だから、フランシス・ザヴィエ....
「或る女」より 著者:有島武郎
子の部屋を訪れる事はしなかったけれども、この事のあって後は、二人《ふたり》はよく
親しく話し合った。岡は人なじみの悪い、話の種《たね》のない、ごく初心《うぶ》な世....
「或る女」より 著者:有島武郎
かな笑いが破裂した。愛子はなかなか下に降りて来ようとはしなかった。それでも三人は
親しくチャブ台を囲んで茶を飲んだ。その日岡は特別に何かいい出したそうにしている様....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
おお酒井だ。分ったか、しっかりしな。」 酒井俊蔵ただ一人、臨終のお蔦の枕許に、
親しく顔を差寄せた。次の間には…… 「ああ、皆居るとも。妙も居るよ。大勢居るから....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
レスの学説とはすべて甚だしく相反するものであった。それでガリレオはローマへ行って
親しく相手を説き付けるのが得策であると考えた。ところが相手の方では科学上の論議で....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
垢のついた見すぼらしい、母のない児の手を、娘さん――そのひとは、厭わしげもなく、
親しく曳いて坂を上ったのである。衣の香に包まれて、藤紫の雲の裡に、何も見えぬ。冷....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も若々しくなってお目にかけます……。』 さして取りとめのない事柄でも、斯うして
親しく語り合って居りますと、私達の間には言うに言われぬ楽しさがこみ上げて来るので....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
」 「ああ、娘さんかね。」 「それは……いえ、お優しいお嬢様の事でござります……
親しく出入をしたものが、身を投げたとお聞きなされば、可哀相――とは、……それはさ....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
豊島は僕より一年前に仏文を出た先輩だから、
親しく話しをするようになったのは、寧ろ最近の事である。僕が始めて豊島与志雄と云う....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
がた動きまわるのを見たら、だれしも、あのありがたいダンスの守り神、聖ヴァイタスが
親しく目の前にあらわれたと思ったことだろう。彼は黒人たちの賞讃の的になった。彼ら....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
当時、常に政府に近づきたるは仏国公使レオン・ロセツにして、小栗及び栗本鋤雲等とも
親しく交際し政府のために種々の策を建てたる中にも、ロセツが彼の横須賀造船所設立の....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
ジであり、八百屋のオヤジであり、風呂屋のオヤジでもある。それでなおのこと近所中と
親しくしているので、人情が移ってなかなか動けないでいる。党務で遊説等の為旅行して....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
差異は人の想像するようには甚だしく目立たず、その時代の人、なかんずく仏人は自己が
親しく目撃する変化をほとんど意識せず、また諸種の例証に徴して新形式を組織的に完成....