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親仁
「親仁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親仁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ろ》は、アイ来た、と手品師が箱の中から拇指《おやゆび》で摘《つま》み出しそうな中
親仁《ちゅうおやじ》。これが看板で、小屋の正面に、鼠《ねずみ》の嫁入《よめいり》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た奴なんでさあね、と折革鞄を抱え込んだ、どこかの中小僧らしいのが、隣合った田舎の
親仁に、尻上りに弁じたのである。 いずれ道学先生のために、祝すべき事ではない。....
「海異記」より 著者:泉鏡花
やら、浅黄の扱帯の裂けたのを、縄に捩った一重まわし、小生意気に尻下り。 これが
親仁は念仏爺で、網の破れを繕ううちも、数珠を放さず手にかけながら、葎の中の小窓の....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、一命も捧げ奉ると、御恩のほどを難有がりましたのでござります。 公子 (微笑す)
親仁の命などは御免だな。そんな魂を引取ると、海月が殖えて、迷惑をするよ。 侍女五....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
にして、生まれもつかぬ不具もの――渾名を、てんぼう蟹の宰八と云う、秋谷在の名物|
親仁。 「……私が爺殿でござります。」 と姥は云って、微笑んだ。 小次郎法師....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
咎めて一つ喚く、とがたがたと、跫音高く、駈け退いたのは御亭どの。 いや、困った
親仁が、一人でない、薪雑棒、棒千切れで、二人ばかり、若いものを連れていた。 「御....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
の狂言方であったから。―― 「串戯じゃないぜ。」 思わず、声を出して独言。 「
親仁さん、おう、
親仁さん。」 なぞのものぞ、ここに木賃の国、行燈の町に、壁を抜....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
いて、四五人一斉に立った。中には、袴らしい風呂敷包を大な懐中に入れて、茶紬を着た
親仁も居たが――揃って車外の立合に会釈した、いずれも縁女を送って来た連中らしい。....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
おなじ店が、筵三枚、三軒ぶり。笠被た女が二人並んで、片端に頬被りした馬士のような
親仁が一人。で、一方の端の所に、件の杢若が、縄に蜘蛛の巣を懸けて罷出た。 「これ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。」 「当る、当る、当るというに。如意をそう振廻わしちゃ不可んよ。」 豆府屋の
親仁が、売声をやめて、このきらびやかな一行に見惚れた体で、背後に廻ったり、横に出....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
む、漕げる! 豪いな、漕いで見せな/\。伯父さんが、また褒美をやるわ。 いや、
親仁、何よ、お前の父さんか、父爺には黙ってよ、父爺に肯くと、危いとか悪戯をするな....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
と笑うやら、痛え、といって身悶えするやら、一斉に皆うようよ。有触れた銀流し、汚い
親仁なら何事もあるまい、いずれ器量が操る木偶であろう。 「姉や。」 この時、人....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、 「飛んだお手数でしたね。」 「お蔭様だ。」と留という紺屋の職人が居る、魚勘の
親仁が居る、いずれも口々。 中に挟ったのが看護婦のお縫で、 「どういたしまして....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、道に迷った難儀に懲りて、宿から、すぐ馬を雇って出ると、曳出した時は、五十四五の
親仁が手綱を取って、十二三の小僧が鞍傍についていた。寂しい道だし、一人でも連は難....
「活人形」より 著者:泉鏡花
被替えて虚兵を張り、人形を身代にして下枝を隠し、二度毒刃を外して三度目に、得三が
親仁を追懸け出でて、老婆に出逢い、一条の物語に少しく隙の取れたるにぞ、いでこの時....