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親和
「親和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親和の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
直って詰め寄った。「へんな事を言い給うな。僕と、このかたとお茶を飲むのは、お互の
親和力の結果です。純粋なんだ。僕たちは、里見八犬伝に於《おい》て共鳴し合ったので....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
も規則がないと同様に。茶はたてるごとに、それぞれ個性を備え、水と熱に対する特別の
親和力を持ち、世々相伝の追憶を伴ない、それ独特の話しぶりがある。真の美は必ず常に....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、アッコルティ先生の説をもう一歩すすめるよ。つまり……ドドは、そこにいる原始人と
親和的な、黒猩々との雑交児だろうということだ。第一、親を有尾人とするのには、尾が....
「一日の労苦」より 著者:太宰治
た。それに気づいたときには、私はひとりで涙を流して大笑いした。 排除のかわりに
親和が、反省のかわりに、自己肯定が、絶望のかわりに、革命が。すべてがぐるりと急転....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
社であると共に、町の神社で、町民の集団生活と接触するところに、その美しい調和力と
親和力が見られるのに対して、吉田の浅間社は、礎石をすえた位置が、町から幾分か離れ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
母親に慰めを与えていることを意識しているのに気づき出した。それは僕にも覚えのある
親和力の一例に違いなかった。同時に又|現世を地獄にする或意志の一例にも違いなかっ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
伝いをしてみたい、という気にさえなるのであった。で、町の魅力と、母や兄弟に対する
親和の情とが、かなり強いものになっていたとしても、もし彼に、父に逢えるという大き....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
ギリシャの円柱は現に東京丸の内にも立っている。これこそ美の世界性であって、人類の
親和本能がこれを行わしめるのである。東亜に於ては古来漢民族の美の源泉が優勢を占め....
「明暗」より 著者:岡本かの子
かした。 「ああいう能力に自信のある女はえて物好きなことをするものだ」 「男女の
親和力というものは別ですわ。夫婦になるのは美学のためじゃあるまいし」 批評まち....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
政策は、豊臣秀吉の強硬な、むしろ恫喝的、侵略的の夫れとは事変り、きわめて穏健で、
親和的で、実利的であった。つまり、ひとえに貿易を興し、国益を図ろうとする経済的な....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
京都の商人もあの頃は優しかった。葉茶屋に限らずどのような店でも万事このようで、総
親和というものが見えて買うものも売るものも心からたのしんで売買したものである。 ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
したが、御都合でいらっしゃいませんでしたね。その後あなたはおさわりなくおそらく「
親和力」の翻訳にいそしんでいられることと思います。その書物は私が心をひかれ、そし....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ゆる中道の真理であります。一家に在っては家族一同が無意識のうちに協力一致している
親和力に当りましょう。 もちろん、右は大体の原理で、実際の現実というものは、も....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ろだと思っていますよ。五、六百里も北だからね。」それはほんの何の気もなく、むしろ
親和の心で私は微笑していったのが、それが彼の性来の癇癖にきつく障ったらしい。私に....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
。私たちは――地上の全民族から成る私たちは彼において結合する。彼は「ヨーロッパの
親和」と人類愛との、輝かしい象徴である…… (一九二七年三月二十六日) 「ベート....