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親展
「親展〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親展の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
突然思い出したように袂《たもと》の中からそれを取り出してAに与えた。Aは表に至急
親展とあるので、ちょっと箸《はし》を下に置くと、すぐ封を開いたが、少し読み下《く....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
羅君などと云うものがたくさん出て来たそうである。そこで股野は大いに憤慨して、至急
親展の書面を余に寄せて、是非取り消してくれと請求に及んだ。余も気の毒に思ったが、....
「黴」より 著者:徳田秋声
と手紙を受け取った。少しお話したいこともあるから、手隙のおり来てくれないかという
親展書であった。 お銀は、体の工合が一層悪くなっていた。目が始終|曇んで、手足....
「道標」より 著者:宮本百合子
の金を送っておいてくれるようにたのんだ。帰ってみると、金は来ていないで、社名での
親展書が伸子あてに着いていた。社長の木下が去年の総選挙に失敗して社の経営に大損害....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
。しかもどこでも共通平等。精神病院関係者ならば。云わず語りで誰でも知っとる。極秘
親展正直正銘。ここを限りの話というたら。ちょっと辻褄合わぬか知らぬが。チャント合....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
家の重大問題となるであろう事実に気が付いたものでした。そこで早速、私に宛てた至急
親展で、事のアラマシを通知して、事実かどうかを問い合わせて来た訳ですが、その手紙....
「野道」より 著者:幸田露伴
いる一封の文字は、先輩の某氏の筆であることは明らかであった。そして名宛の左側の、
親展とか侍曹とか至急とか書くべきところに、閑事という二字が記されてあった。閑事と....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
だ友の手跡で宛名を書かれその封印で封された一通の封書を取り出して前においた。 「
親展。J・G・アッタスンの手にのみ開封さるべし、彼が先立ちて死する場合は読まれず....
「悪夢」より 著者:豊島与志雄
焦慮のうちに、午後の三時頃まで過してしまった。その時、国許の兄から手紙が来た。「
親展」と大書してあった。何事だろう? と咄嗟に考えたが、次の瞬間には、兄はどんな....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
ってゆき、間もなく、一つの封筒を持って来た。 封筒にはただ、「小泉美枝子様、必
親展」とだけしてあった。 「今日の午後、宅の郵便箱にはいっておりましたの。御本人....
「自殺を買う話」より 著者:橋本五郎
外国取引開始。 保護者の許可を経て、最近の写真、履歴書、本人自筆の趣味希望等、
親展書にて申込ありたし――。 そんな広告に微笑しながら、新聞の案内広告を見てい....
「地上」より 著者:島田清次郎
すことを恐れて、そのまま封筒に入れて大きく習字の時のように楷書で「吉倉和歌子様、
親展」と書いた。すると重荷を下ろして一休みする時のような澄みわたった気持がした。....
「秘密」より 著者:平林初之輔
っきり四時半に役所から帰った。そして、机の上に二枚の葉書とともに一通の西洋封筒の
親展書がのせてあるのを発見した。消印は横浜になっていたが宛名の筆跡にはちょっと心....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
はないが、これは優しい女文字でしかも名前がない、彼女は好奇心にひかされて主人宛の
親展書であるにかかわらず、開封した。 「旦那様!」という書き出しにまず眉を曇らせ....