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親戚
「親戚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親戚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
更に彼の憎んだのは貧困に発した偽りだった。母は「風月」の菓子折につめたカステラを
親戚《しんせき》に進物にした。が、その中味は「風月」所か、近所の菓子屋のカステラ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
考えて見れば、格別わしだけに限ったことではない。」
彼は夜などはこう考え、彼の
親戚《しんせき》や知人のことを一々細かに思い出したりした。彼の婿の父親は唯《ただ....
「春」より 著者:芥川竜之介
るように出来上っていた。彼等は自然と大理石の欄干の外をまわりながら、篤介の家族や
親戚や交友のことを話し合った。彼女は微笑を含んだまま、かなり尋ね悪《にく》い局所....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
身のような生活だわね。
「それだけならばまだ好《い》いでしょう。そこへまた時々|
親戚《しんせき》などから結婚問題を持って来るのよ。やれ県会議員の長男だとか、やれ....
「冬」より 著者:芥川竜之介
った。僕の従兄《いとこ》は四五日前にそこの刑務所にはいっていた。僕は従兄を慰める
親戚総代にほかならなかった。が、僕の気もちの中には刑務所に対する好奇心もまじって....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
通しはしない。』と、まるで相手にならないのです。が、友だちはそれで黙っていても、
親戚の身になって見ると、元来病弱な彼ではあるし、万一血統を絶《た》やしてはと云う....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
》を具えていた。お蓮はこの老人の前に、彼女には去年|行方《ゆくえ》知れずになった
親戚のものが一人ある、その行方を占って頂きたいと云った。
すると老人は座敷の隅....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
文《くうぶん》に了《おわ》るほかはなかったのでしょう、何しろ半之丞は妻子は勿論、
親戚さえ一人《ひとり》もなかったのですから。
当時の三百円は大金《たいきん》だ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。令嬢の名前は常子《つねこ》である。これも生憎《あいにく》恋愛結婚ではない。ある
親戚の老人夫婦に仲人《なこうど》を頼んだ媒妁《ばいしゃく》結婚である。常子は美人....
「或る女」より 著者:有島武郎
履《ぞうり》を始末しながら、葉子はすぐに二階の客間の模様を想像して、自分のために
親戚《しんせき》や知人が寄って別れを惜しむというその席に顔を出すのが、自分自身を....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
彼のこの優越観の基礎となる知識の宝庫を一瞥することを許されるのはただ彼の最近親の
親戚朋友だけであった。この宝庫が代々に持ち伝えられる間に次第に拡張されるにしても....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
のは後の事で、かれが燦爛たる黄金や貝類が光っている花聟の盛装を身につけて、友達や
親戚の人たちに取り囲まれながら饗宴の席に着いていた時には、まだ誰もそんなことに気....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
?』 『イヤイヤあれは例によりて人間どもの勝手な仮構事じゃ。乙姫様は決して魚族の
親戚でもなければ又人魚の叔母様でもない……。が、もともと竜宮は理想の別世界なので....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
呼んだものです。このオムニバスは紀州の由良という、後に陛下の馭者になった人と私の
親戚に当る伊藤八兵衛という二人が始めたもので、雷門に千里軒というのがあって此処が....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
、そこに時々どこかの家の家鴨なども泳いでいたものである。僕は中学へはいった後も或
親戚を尋ねるために度々「富士見の渡し」を渡って行った。その
親戚は三遊派の「五りん....