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「親方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

親方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
平吉は動くけしきがない。 すると頭《かしら》の隣にいた髪結床《かみゆいどこ》の親方が、さすがにおかしいと思ったか、平吉の肩へ手をかけて、「旦那、旦那…もし…旦....
僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
の方で僕の名前を呼ぶ声が聞こえはじめました。泣くような声もしました。いよいよ狸の親方が来たのかなと思うと、僕は恐ろしさに脊骨がぎゅっと縮み上がりました。 ふと....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
かった。 「それじゃ帳場さん何分|宜《よろ》しゅう頼むがに、塩梅《あんばい》よう親方の方にもいうてな。広岡さん、それじゃ行くべえかの。何とまあ孩児《やや》の痛ま....
婦系図」より 著者:泉鏡花
っかり片附いたかい、大変だったろう。」 「戦だ、まるで戦だね。だが、何だ、帳場の親方も来りゃ、挽子も手伝って、燈の点く前にゃ縁の下の洋燈の破れまで掃出した。何を....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
一|椀の熱湯の味のよさ。 小気味のよいほどしたたか夕餉を食った漁夫たちが、 「親方さんお休み」 と挨拶してぞろぞろ出て行ったあとには、水入らずの家族五人が、囲....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
んが、大方その怪物が餌食にするだろう。それにしちゃ吝な食物だ――何々、海の中でも親方となるとかえって小さい物を餌にする。鯨を見ろ、しこ鰯だ、なぞと大口を利いて元....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
門附は、澄まして、背後じめに戸を閉てながら、三味線を斜にずっと入って、 「あい、親方は出ずとも可いのさ。私の方で入るのだから。……ねえ、女房さん、そんなものじゃ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、――さあ飯だ、飯だ。) と今度はなぜか、箸を着けずに弁当をしまいかけて、……親方の手前もある、客に電報が来た様子では、また和女の手も要るだろう、余り遅くなら....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
時は折悪く、釣船も遊山船も出払って、船頭たちも、漁、地曳で急がしいから、と石屋の親方が浜へ出て、小船を一|艘借りてくれて、岸を漕いでおいでなさい、山から風が吹け....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
で。」 「ああ、そうだ、――こっちが坐睡をしやしないか。じゃ、客から叱言が出て、親方……その師匠にでも叱られたためなんだな。」 「……不断の事で……師匠も更めて....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ました。人形はまるで、生きた人のようでした。ただ口がきけないだけです。人形芝居の親方は、どんなによろこんだでしょう。人形つかいがつかわないでも、この人形は勝手に....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
した。丈の高い口ひげのある男が長靴をはいて仕事の指図をしていました。その人がこの親方でした。 マルコはおそるおそるその人のそばへ行って「自分もどうかつれていっ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
立続けに、 「遅いからもうお帰りなさいまし、風邪を引くと不可ません。」 弥吉は親方の吩咐に註を入れて、我ながら旨く言ったと思ったが、それでもなお応じないから、....
活人形」より 著者:泉鏡花
せんか。と問えばちょっとは答せず、煙草一服思わせぶり、とんとはたきて煙管を杖、「親方、逢わしておくんねえ。と異にからんで言懸くれば、それと察して轟く胸を、押鎮め....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
鈴では、合せる呼吸を取り損ねる気がして……。』 船『此間、根岸の旦那と、植木やの親方の来ました時、後で大笑いなのです。』 漁『お二人一緒に釣ってまして、植木やさ....