親昵[語句情報] » 親昵

「親昵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

親昵の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
した人である。寧親は時に二十七歳で、允成は一つ上の二十八歳である。允成は寧親にも親昵して、殆ど兄弟の如くに遇せられた。平生着丈四尺の衣を著て、体重が二十貫目あっ....
悟浄出世」より 著者:中島敦
い》な若者を集めて、この中に盈《み》たし、その楽しみに耽《ふ》けるにあたっては、親昵《しんじつ》をも屏《しりぞ》け、交遊をも絶ち、後庭に隠れて、昼をもって夜に継....
十二支考」より 著者:南方熊楠
産まるるところを受け抱いて地に落さざらしむとか、主人と同席で飲食するとか、人馬|親昵《しんじつ》する奇譚どもを片端から皆嘘のように貶《けな》したが、それは今日来....
同感」より 著者:豊島与志雄
、忙しい時には、短時間を割き与える。ただ彼の唯一の不平は、犬が時によって、余りに親昵だったり冷淡だったりすることだった。狆のように戯れかかられる時には、眉をひそ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っそう多くの想像力をもっているから、さらに二倍も欺かれやすい。クリストフを危険な親昵《しんじつ》に引き込むのは、ユーディットのやり方一つだった。その親昵は彼の精....
憑きもの」より 著者:豊島与志雄
繁になった。彼女は大胆だった。杉幸の店で、他の客の前でも、普通の言葉遣いのうちに親昵の調子を露骨に現わした。雑誌社の方へも度々電話をかけてきた。アパートへもしば....
朝やけ」より 著者:豊島与志雄
ともあった。喜久子は何喰わぬ風を装っているが、語調や素振りの些細な点で、おれとの親昵を曝露してしまう。それによっておれは却って救われた気持ちになる。思えば浅間し....
民族の感歎」より 著者:折口信夫
歌があり、更に一日のうち物を言わずして過すことの多い、そうして見る風物も、何一つ親昵感を起す物なき欧洲遠行中の多量の歌。又支那・満洲の無限につづく連作とも言うべ....