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親木
「親木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親木の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
の露西亜《ロシア》人の面白い話が引いてあった。それは、芽生《めばえ》を摘んだら、
親木が余計成長するだろうと思って、芽生を摘み摘みするうちに、
親木が枯れて来たとい....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
にしてしまう。馴付けた敵は、味方である。「年々や桜を肥す花の塵」美しい花が落ちて
親木の肥料になるのみならず、邪魔の醜草がまた死んで土の肥料になる。清水却て魚棲ま....
「南路」より 著者:宮本百合子
ねりに混って生えている。 海藻のような寄生木《やどりぎ》が、灰緑色にもさもさと
親木を覆いつくして、枯れ枝が、苦しげにその間から腕を延して外に出ている。 自分....
「『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
に感じさせる「南風の烈しき日」 ひとりをかみしめて食む 夕食と涙 たよりにする
親木をもたない小さい花は くらしの風に思うまゝ五体をふかせて つぼみの枝も ゆれ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
んと音を立てて、跳ねかえりざま、どこかに姿をかくしてしまう。――どちらにしても、
親木の立っている場所から八尺とは離れていない。彼らはそれを少しも悔まない。彼らに....
「いとこ同志」より 著者:宮本百合子
その願いや愛が、政子さんの心の中にみな籠められている筈なのです。 樹木でさえ、
親木が年寄って倒れれば、きっとその傍から新らしい若い芽生えが出ますでしょう。まし....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
はどうでもいいのだ。それらの運動は真のフランス民衆に触れはしない。果実が腐っても
親木は腐りはしない。腐った果実は地に落ちるだけだ。そのうえ、そういう連中は国民と....
「南島譚」より 著者:中島敦
の或る男が財宝《ウドウド》と芋田と女とを友人に欺きとられた時、その男は此の椰子の
親木(今からずっと前に枯れて了《しま》ったが、其の頃はまだ椰子としての男盛りで村....
「寒桜の話」より 著者:牧野富太郎
がられることであろうと信じた。 そこでそのとき上手な植木屋に命じて、その一本の
親木から接《つ》ぎ穂を採って用意せる砧木に接がせてみた。しかしどうも活着がむつか....
「赤い実」より 著者:小川未明
もあるのです。そして、その芽が大きく伸びて、一|本の木となった時分には、その木の
親木は、もう、枯れていることもあります。またじょうぶでいることもあります。そんな....
「三国志」より 著者:吉川英治
漢朝の隆盛はもう過去のものでしょう。かえって寄生木たる曹操のほうが次第に老いたる
親木を蝕い、幹を太らせ、ついに根を漢土に張って、繁茂してくること必然でしょう。―....
「親木と若木」より 著者:小川未明
とく驚いて、山吹に目を向けてたずねました。 「おまえが、もらってきて植えたのが、
親木になって丹精したから、こんなにいい子供が産まれたんです。」と、母は答えられま....