親譲り[語句情報] » 親譲り

「親譲り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

親譲りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
はたち》になったが、妻はまだ娶《めと》っていない。家は門地《もんち》も正しいし、親譲りの資産も相当にある。詩酒の風流を恣《ほしいまま》にするには、こんな都合《つ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
わ》っている女を。」 僕は誰にでも急《せ》っつかれると、一層何かとこだわり易い親譲りの片意地を持合せていた。のみならずそのボオトの残した浪はこちらの舟ばたを洗....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
とにします。私も今後は経済的には自分の力だけの範囲で生活する覚悟でいますが、従来親譲りの遺産によって衣食してきた関係上、思うようにいかない境遇に追いつめられるか....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
んな魔が魅《さ》したのでござりましょう」 学問も出来、武芸も出来、情け深いのは親譲りで、義理も堅く、道理もわきまえている殿様が、廓《くるわ》の遊女に武士のたま....
「振動魔」より 著者:海野十三
秋郎の輪廓を読者に示さねばならぬ羽目になったけれど、柿丘秋郎は彼の郷里の岡山に、親譲りの莫大な資産をもち、彼の社会的名声は、社会教育家として、はたまた宗教家とし....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
ず僕等の寝床を敷きにあがった。僕等は暫くしてあがった。 家は古いが、細君の方の親譲りで、二階の飾りなども可なり揃っていた。友人の今の身分から見ると、家賃がいら....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
は早く死にわかれ、兄弟もなければ妻子もなく、天涯孤独の身の上だった。財産だけは、親譲りで相当のものが残されていた。毎月の末になると、某信託会社から使者が来て、規....
「雷」より 著者:海野十三
という話も聞かなければ、博士はおろか、学士さまになることも出来ないらしい。いずれ親譲りがある筈だった財産というのも、近頃親の年齢甲斐もない道楽で、陽向に出した氷....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
った下肥えの代りに……とは、うっかり口がすべった洒落みたいなものですが、ここらが親譲りというのでしょう。父は疑っていたかもしれぬが、私はやはり落語家の父の子だっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
めた後の二葉亭は俄に辺幅を飾るようになった。一体｜衣服には少しも頓着しない方で、親譲りの古ぼけた銘仙にメレンスの兵児帯で何処へでも押掛けたのが、俄に美服を新調し....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
勤して、老役を得意としたり。 ○九月、明治座にて市川莚升は二代目左団次を襲名し、親譲りの丸橋忠弥を勤む。 ○十一月十日、文芸協会は第一回公演を歌舞伎座に開く。狂....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ましょう。 また、資産、権勢、閨閥なども、空拳でよく築き上げられます。時には、親譲りのこれらのものが、運命開拓に却って邪魔になることさえあります。 かく考え....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
す。川島は先刻も云ったように会社の重役で、極く派手好きな道楽者なのでございます。親譲りの財産があるところから会社の株を買い、そのおかげで重役の椅子についているの....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
こと以外は」 「はい、余りよく存じませんが――。ただ伯父が若い頃に株で失敗して、親譲りの財産をすっかり潰ってしまい、その上親類中に大迷惑をかけ、長い間行方を晦ま....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
度が恐しく兇暴におなりになりまして手がつけられない、仕方なく大金をおかけになった親譲りの南洋のゴム園の一つを弟様にさし上げて、日本を去って頂いたのだそうでござい....