親里[語句情報] »
親里
「親里〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
親里の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
けぬ、今の世の中には珍らしいと云って賞《ほ》めた娘だろう、それは幸いだ」 國「
親里《おやざと》を拵えれば大家《おおや》でも頼むのでございますが、旦那が親になっ....
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
の如き児を吾が家の後嗣として披露する能《あた》わず、疾《と》く疾くこの児を抱きて
親里に立ち去れ。而《しか》して余の責罰の如何に寛大なるかを思い知れ」 とぞ罵《....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
其の宿屋が春部とかいう奴が勤めていた屋敷に奉公していて、私通いて連れて逃げた女の
親里とかいう事で」 宗「うん…それから」 ○「それっ切り知りやせん」 宗「知らん....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、行方の知れないのは、分らないそうでした。 事が面倒になりましてね、その夫人の
親里から、叔母の家へ使が来て、娘御は何も唄なんか御存じないそうで、ええ、世間体が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
名儀のお武家の娘――品のいい娘だったが、あれが内実はお手がついたとかつかんとかで
親里帰り、それからまた、興楽亭のおかみなあ、あれも、親玉に持ちかけたとかすりつけ....
「細木香以」より 著者:森鴎外
驚かした。 婢は幼くして吉原の大籬に事え、忠実を以て称せられていた。その千住の
親里に帰ったのは、年二十を踰えた後である。 婢は「おいらん」を以て人間の最尊貴....
「珊瑚」より 著者:田中貢太郎
のだ。こんなことで何が妻だ。」 といって、とうとう珊瑚を離縁して、老姨をつけて
親里へ送らしたが、村を離れようとすると珊瑚は泣いて、 「女と生れて人の妻となるこ....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
心の通りならないで不幸者となり女の子が年頃になって人の家に行き其の夫に親しくして
親里を忘れる。こんな風儀はどこの国に行っても変った事はない。 加賀の国の城下本....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
し》て他の家へは大方は使を遣《つかわ》して音問《いんもん》を為《なす》べし。又我
親里の能《よき》ことを誇て讃《ほめ》語るべからず。 女は我親の家をば継がず舅....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
云わなくなった。彼は日夜考えてばかりいた。近所の農夫や福島の朋輩や死んだお信乃の
親里などでは、彼の境遇に同情して、いろいろ慰めの言葉を掛けたり新らしく妻を世話し....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
の兄弟を恥じいやしむ者ありされどもさすが故園情《こえんのじょう》に堪えずたまたま
親里に帰省するあだ者なるべし浪花を出てより
親里までの道行にて引道具の狂言座元夜半....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
この女というは母一人子一人の家なりしに、嫁と姑との仲|悪しくなり、嫁はしばしば
親里へ行きて帰り来ざることあり。その日は嫁は家にありて打ち臥しておりしに、昼のこ....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
これは陸中|下閉伊地方でいうことで、他にはまだ類例を知らない。二月九日は嫁が
親里へ還って、一日ゆっくりと遊んで来る日で、家ではおまけに御馳走をして出して遣る....