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「親鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

親鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
実家の手前も、旅をかけては出憎いから、そこで、盲目の娘をかこつけに、籠を抜けた。親鳥も、とりめにでもならなければ可い、小児の罰が当りましょう、と言って、夫人は快....
惜別」より 著者:太宰治
した。ここに日本国の強さがある。如何に踏み迷っても、ひとたび国難到来すれば、雛の親鳥の周囲に馳せ集うが如く、一切を捨てて皇室に帰一し奉る。まさに、国体の精華であ....
あひると猿」より 著者:寺田寅彦
あるが、なるほどどこか鰐などの水中を泳ぐ姿に似たところがあるようである。もっとも親鳥がこんな格好をして水中を泳ぎ回ることは、かつて見たことがない。この点ではかえ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て行って、箸でいちいちハサんで、マドロスの口へあてがっているところの金椎を見る。親鳥から餌を与えられるようにして、金椎から箸で突き出される食物を、雛が食べさせて....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
ときの、さわぎと、やかましさ。夜が明けるやいなや、日のくれるまで、たえまもなく、親鳥が、かあかあ、げえげえ、ひなどりがぴいぴい、まったく、たいへんなやかましさで....
アラビヤンナイト」より 著者:菊池寛
きました。 私たちは命からがら船へ帰りました。船長は、さっそく船を出しました。親鳥が大へんおこっているということが、わかりましたから。 おそろしい大きな鳥は....
話の種」より 著者:寺田寅彦
く生むようになった。これから考えると、生れる雛の雌雄いずれが多いかという事はその親鳥の食餌や鳥屋の温度その他の周囲の状況できまるものだという事が分る。もし他の諸....
博物誌」より 著者:岸田国士
め、巣を籠の中に入れて置くの。その籠を桜の木に括りつけて置くだろう。そうすると、親鳥が籠の目から餌をやるよ。そのうちに親鳥の必要がなくなるから」 父は、この方....
」より 著者:岡本綺堂
。 「いや、みんな小さい。ゆうべのも仔鷲であったそうだが、けさのもみんな仔鷲だ。親鳥はまだ出て来ないとみえる。」 親鷲は来ないと聞いて、又次郎は安心したように....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
一箇の薄黒い卵を持って来て、これを孵してくれといった。見馴れない卵であるからその親鳥をきくと、それは慈悲心鳥であることが判った。 日光山の慈悲心鳥――それを今....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
で巧妙に造られたその巣の中には、灰色の小さな卵が、三個まで数えられたのであった。親鳥が自分の頭の上でしきりに鳴いていた。それに気がつくと彼は、つとそこから離れた....
」より 著者:竹久夢二
様は、幹子に寝間着を着せながら仰言いました。 「みっちゃんが夕御飯たべてる時に、親鳥が コ コ コ って言って雛鳥を寝かしていましたよ」 「だってあたし眠くない....
からすとかがし」より 著者:小川未明
て立っいるかがしを見ると、やはりおじいさんのような、怖ろしい人だと思ったのです。親鳥は、子鳥にいいました。 「あの、田の中に立っている人の手に持つのが、おじいさ....
大きなかしの木」より 著者:小川未明
ある年の春の、ちょうど終わりのころでありました。どこからか、きれいな小鳥が、親鳥とひな鳥といっしょに飛んできて、この年とったかしの木に巣を造りました。 い....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
谷山であった。今度は雪田の上で金作が雷鳥の子を二羽つかまえた、足を縛って囮にして親鳥を捕るのだと旨い事を考え出したが、此雷鳥は親馬鹿でない唯一の例であったものか....