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「観入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

観入の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
ある。「風雅の誠をせめよ」というは、私を去った止水明鏡の心をもって物の実相本情に観入し、松のことは松に、竹のことは竹に聞いて、いわゆる格物致知の認識の大道から自....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
いうのが日本人なのである。 こういうふうな立場から見れば「花鳥諷詠」とか「実相観入」とか「写生」とか「真実」とかいうようないろいろなモットーも皆一つのことのい....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
も仏教も融けきっているとも解釈出来るが、この歌の出来た時の人麿の態度は、自然への観入・随順であっただけである。その関係を前後混同して彼此云ったところで、所詮戯論....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ない。善いとか悪いとかいえないものであります。それが一つの実相であります。「実相観入」ということは、芸術のほうではよくいいます。つまり実相をみてそのなかにはいる....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
阿部一族』における蜻蛉の描写なども凄いほどの効果を示しているといって、鴎外の実相観入の力を称えている。 その通りである。鶴見は一も二もなくそう思った。長十郎は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
にしても一片の同情は禁じえなかったことだろう。ましてやと思う。それも昼、梶岡の永観入道が彼へ皮肉ったような功利を伴った感動でなかったことだけは確かである。彼はそ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
作的なものだそうだ。芸術にしたところで、何といっても東洋精神に限るよ。」 「実相観入かい。」 「近頃の歌壇の慣用語でいえば、そうさ。だが、写生の語義を伝神とか実....