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「観察眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

観察眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あろうと、わらじがあろうと、べつに不思議も不審もなさそうに思われましたが、右門の観察眼はしばしばいうごとく、少しばかりできが違いますので、早くもそれと見ると、微....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
をすごすべき右門とは右門が違いましたから、その間にもと思って、かれ一流の鋭利なる観察眼を用意しながら、聞きえられるだけのことを少女について尋ねました。しかるに、....
少女病」より 著者:田山花袋
、どうも若い女に憧れるという悪い癖がある。若い美しい女を見ると、平生は割合に鋭い観察眼もすっかり権威を失ってしまう。若い時分、盛んにいわゆる少女小説を書いて、一....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
や塔や庫裡《くり》の建物――それもきわめて平凡なものであった――のほかには、彼の観察眼に映ずるものは何一つなかった。本堂からは、最後に残った参詣者たちが、帽子を....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
白い。殊にその磯之丞の人品や服装について、精細の描写をしているのを見ても、円朝の観察眼に敬服せざるを得ない。この磯之丞はよほど円朝の気に入ったと見えて、塩原多助....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
。そしてこの態度は、単に外界に対するばかりでなく、自分自身に対するものともなる。観察眼が自分自身にも向けられて、自分が如何に悲しみ喜び或は行動するかを、冷やかに....
奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
に精神病の一種としてもよいだろうが、然し、精密な没我的な観察にのみ終始して、その観察眼がやがて自分自身にも向けられ、行動する自己と、それを見守る自己と、そうした....
形態について」より 著者:豊島与志雄
知れないが、然し、如何なる作家も、これに似た歎声を発しないものが果してあろうか。観察眼の特殊な修練と緊張とがない限り、人は形態に対しては案外無頓着なように思われ....
無毛談」より 著者:坂口安吾
で、いくらか瞑想的情緒すらあるのだけれども、本人の目に見える弱点があり、漫画家の観察眼には、自尊心の許さぬところがあるのかも知れない。 私のハゲは脳天、マンナ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
の文書袋をこの男が左手に携えていたのだ、そして、それは居合せた一人の事務員の鋭い観察眼によると、革紐で自分の手頸にしっかりと結びつけられてあったのだ。この事実は....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
にも見せなかった心の秘密を宿では思いあまって漏しているかも知れず、主婦の世なれた観察眼が、何かを嗅ぎ当てているかも知れない。放二はそこから出直そうと思ったのであ....
教育映画について」より 著者:寺田寅彦
実物を見るとはよほどちがった長所をもっている。映画を見ることによって吾々は凡庸な観察眼の代りに異常に鋭い観察者の眼を獲得することになる。同時に非常に長い時間と多....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
書いた建札が、厳めしく立っているからだ。 ラシイヌは聴衆の間に交って、彼の鋭い観察眼であたりを静かに見廻した。「描かざる画家」ダンチョンを発見出そうためである....
フシギな女」より 著者:坂口安吾
知ったから、それにてらして思い当った観察であろう。思い当る節がないと見逃している観察眼だ。店をしめてから彼が前掛けのセンタクしているとき、彼女は女中部屋で旦那が....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
結果が得られる事であるが、これらはみな現に東朝紙上に連載さるべき柳田君の燃犀なる観察眼にお任せして、また特にこの満月寺の遺蹟については、古代仏教史上から自分に多....