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観念性
「観念性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
観念性の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「全体主義への吟味」より 著者:宮本百合子
随と、民衆性、庶民性、その素直さなどというものの解釈にある感傷的な甘さ、感傷的な
観念性が、時代的なものとして関心をひくのである。 今日ある年齢に達している知識....
「こわれた鏡」より 著者:宮本百合子
って交錯しあっているのである。 ジイドが、彼の才能と称され、又誤って評価された
観念性によって新しい一つの社会を偶像化して空想したことは彼の自由である。又それに....
「文芸時評」より 著者:宮本百合子
る危険な関係は、ナチスの美学がその後あらわにしたように、現実からの逃避や、主観的
観念性、幻想の壤土となるからである。現実での暴虐、流血を神秘主義に色どって、その....
「生きつつある自意識」より 著者:宮本百合子
今日の若い人々が経済事情をけとばしたような抽象的な学生生活を語るなら、その虚構の
観念性を、誰よりも先ず若い人たち自身が軽蔑するであろう。 先ごろ何かのグラフィ....
「科学論」より 著者:戸坂潤
識問題研究の歴史に就いては、 が貴重な研究である。但しここでは近世哲学の発端は、
観念性の尊重という処におかれているから、吾々の見解をうらづけるに充分でない。 ....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
マルクスは、恐らくこの「フランス・イデオロギー」に対比して、ドイツの唯物論者達の
観念性を指摘するために、その『ドイツ・イデオロギー』(Die Deutsche ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
って小ブルジョアだということになる。ブルジョアジーはこの作成に就いて単に監督――
観念性――なのである。 ファシズム・イデオロギーに於ける、観念が比較的独立に観....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
概念との結合の手続き――が、例の固定化され絶対化された「物自体」と全く独立に、「
観念性」に於てのみ、成り立つと考えられる、という点に存する。これによって主観に対....
「辞典」より 著者:戸坂潤
範疇なのである。之は客観にぞくするのではなくて、正に主観にぞくするものであるが(
観念性)、併しそうかと云って、主観の任意に委ねられるのではなくて、主観自身が自ら....
「娯楽論」より 著者:戸坂潤
いうものはそういう個人的な観念であることを止め得ない。――ここに幸福という観念の
観念性と無力とが横たわる。だからこそ之は単なる要請に他ならぬというのであり、想定....
「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」より 著者:宮本百合子
問題、インテリゲンチアと勤労大衆との間にある思想的ギャップ――インテリゲンチアの
観念性という理由づけで、作品化したことについての疑問を提出したことは誤っていない....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。そうかと思うと、覚えず愉快で机をうつようなところもある。数学の公理理解における
観念性のところなど。数学がわからなかったこと(わけ)がよくわかります。ところで、....
「範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
常に間接な意味に於て、それは主観にぞくすことであるかの如く考えられる。ある意味の
観念性の如き之である。
観念性をば実在性と区別することは無論差閊えない。けれども若....