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観念的
「観念的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
観念的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
人間は必要から直接に発明したから、こんな便利で面白いものが出来たんですね。つまり
観念的な理窟に義理立てしなかったから――今でもこういうものを作ったら便利だと思う....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
だ。無口だが、しかしたとえば編輯会議などでは、糞真面目な議論をやったものである。
観念的だとか弁証法的だとか、妥協を知らぬ過激な議論をやっていたものである。なんで....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
後の大事件である。 最終戦争が数十年後に起るとすれば、その原因は経済の争いで、
観念的な王道・覇道の決勝戦とは思われない。 答 戦争の原因は、その時代の人類の....
「河明り」より 著者:岡本かの子
朝夕を送ってみたものでなければ、よく判らないのである。ここへ来ると、生命の外殻の
観念的なものが取れて、浪漫性の美と匂いをつけ、人間の嗜味に好もしい姿となって、再....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
無限の段階が有るはずであるからだ。 現代哲学の観念論は、この無数の関係や段階を
観念的に処理する原則的方法については考究するところがあるけれども、実人生において....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
ぼす。彼のような魂の孤独な人は人生を観念の上で見ており、自分の今いる現実すらも、
観念的にしか把握できず、私を愛しながらも、私をでなく、何か最愛の女、そういう観念....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
はない。自分の夢多き空想だとして、現実主義の恋愛作者に追従したりする必要はない。
観念的映像が多いだけむしろよく、それが青春の標徴である。恋愛を単に生物学的に考え....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ームも構成するし、陶器も焼くし、椅子や本箱のデザインでも、なんでもやる。彼の絵の
観念的先駆をなしているものは、実生活の実用ということで、絵という独立したものでは....
「俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
。俳優養成所でもせめて、そういう「声の審美学」ぐらいはやつてほしい。が、それは、
観念的に一応頭に入れることができるだけで、声の実質は研究所だけではどうにもならな....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
は、それ自身、様々な人物を自ら生き得るまでにならねばならぬ。しかも、それは、ただ
観念的にではなく、衝動的にさえも、そうあることが望ましい。俳優の芸は、そういう複....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
やっても、単に酔いどれの悔恨を、文学青年のデカダンな感情で告白した文学青年向きの
観念的私小説となり、たとえば肉体を描こうとしながら、
観念的にしか肉体が迫って来ぬ....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
、日本の古語のもっている民族的な風格が必要だったのである。近代人の摸索は、古語に
観念的な内容を捉えようとしたのである。其が民族文学の主題であり、一言で言えば品格....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
合、この円を多角形に歪めて考えることが多い。多角形の辺を増せば円に近づくごとく、
観念的な言葉の辺を増すことによって、その人間に迫ることが出来ると、一応考えられる....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
いとして、『古今集』から『千載集』までの七集の註を同じようにつくるというように、
観念的な、和歌の「詩」的価値以外の種々な条件を勘定に入れた考え方はしないのである....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
かし心と物は平等の結合ではなく、どこまでも心が主であり物が従である。思想や信仰の
観念的力をもってして人類の戦争を絶滅する事が不可能である事は数千年の歴史の証明す....