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観性
「観性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
観性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
来るサア・ランスロットである。だからお君さんの中にある処女《しょじょ》の新鮮な直
観性は、どうかするとこのランスロットのすこぶる怪しげな正体を感ずる事がないでもな....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
これらの類似意味との比較によって、意味体験としての「いき」が、単に意味としての客
観性を有するのみならず、趣味として価値判断の主体および客体となることが暗示された....
「科学者と芸術家」より 著者:寺田寅彦
これもそう簡単な言葉で区別のできるわけではない。万人に普遍であるという意味での客
観性という事は必ずしも科学の全部には通用しない。科学が進歩するにつれてその取り扱....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ずっと後にある若い易の研究者を、しばしば訪れたものだったが、その方により多くの客
観性のあるのに興味がもてたところから、自身に易学の研究を思い立とうとしたことさえ....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
れらはかなりまですべての人間に共通普遍なもので、従ってすべての人に理解さるべき客
観性をもっているのである。しかるにまた一方ではそういう普遍性を全くもたない個人的....
「ニュース映画と新聞記事」より 著者:寺田寅彦
。色彩と第三の空間次元を取り去ったスクリーンの上の平面影像は、事象により多くの客
観性を付与し、そのおかげで、現場では隠蔽されるような認識能力の活動を可能にするか....
「科学論」より 著者:戸坂潤
又は「認識の限界」という限界概念(H・コーエンによる)でもいい、そうした何等か主
観性・観念性を根拠とした概念を持って来るべきだ、というのである*。 * カント哲....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
れて了う。真理と虚偽との中から真理を選択させるものが、プロレタリアの階級意識の主
観性とを無媒介に対立させて、之かあれかを問うことなどは、独りよがりな饒舌家がしそ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
主観の中に、けっして安息していられるものではありません。あらゆる事実に冷やかな客
観性を与えたがるものなのです。太陽が地球の廻りを巡っている事実だけでは満足しない....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
外れたものに思われる。 私は思う。現実に堕落タイハイとよぶべきものは、かゝる主
観性の安易な流行である、と。パンパンなどは、まだしも、自ら正義化していないから罪....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
もあろう。鶴見は妄想がちなそんな考をさえ、繰り返し考え直しているうちにその考に客
観性を生じて、今ではそうした考を信じて疑わぬようになっている。 景彦の声がする....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
る。 もののけとは、物の気、または物の怪であろう。ともかくも幽霊よりはもっと客
観性に富んだ存在である。 私は一つ目小僧だとか、あかなめ(深夜人のねしずまった....
「「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
いて自己告白もしていなければ、自己弁護もしていない。事件の軽妙な配列と、描写の客
観性とによって、あくまでも感傷の跡を消し去っている。 母と子とがほとんど本能的....
「学界の純粋支持者として」より 著者:戸坂潤
ることを失うためではない。この点を介して初めて、学問の公共性が党派性を通じての客
観性が横たわるのである。この最終の意味に於ては、私は「学界」に対して不平であるど....
「所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
主観に由来するというラプラス以来の古典的偶然論の誤りを今仮に度外視するとして)客
観性と必然性とを、この印象は持って来るのだ。 もし批評というものが身辺的なもの....