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観想
「観想〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
観想の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
何だか考《かんがえ》が理《り》に落ちていっこうつまらなくなった。こんな中学程度の
観想《かんそう》を練りにわざわざ、鏡が池まで来はせぬ。袂《たもと》から煙草《たば....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
スト博士の総懺悔にあったのです。いや、率直に云いましょう。勿論あの七色は、詩でも
観想でもなく、実は、兇悪無残な焼刃の輝きだったのです。ねえレヴェズさん、貴方は、....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
榊原康政は肥後の加藤清正に手紙で報告して居るが、多少のミソはあるにしても、其の偉
観想い見る可しだ。 秀吉は同夜の十時に、全軍に令して一斉射撃で城中を威嚇して居....
「読書法」より 著者:戸坂潤
「外国人」への注意書 板垣鷹穂氏の評論集『現代日本の芸術』は、五年前に出た『
観想の玩具』以来の最初の出版である。そう云っても実はこの本は、同氏の十八冊目か十....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
この三途無量《さんずむりょう》の苦悩に遭《あ》う。惟《おも》うに、爾《なんじ》は
観想《かんそう》によって救わるべくもないがゆえに、これよりのちは、一切の思念を棄....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
程観念的な世界観であっても或る意味に於て実践的でなかったものはない、却って多くの
観想的世界観は、それが
観想的であればこそ或る意味の実践性を主張する。原始仏教や儒....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
な思慕にまで行く処が、ドイツ・ロマンティックの落ちつく処なのである。世界の審美的
観想と人間的情緒による解釈とが、そこに於ける唯一の「科学的」なものとなる。或る時....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
の人々の動機は、彼等の特有な――文化哲学的・歴史哲学的・精神主義的な――観念的・
観想的・歴史観及び社会観から来ている。社会科学を個性記述的な歴史科学に還元したり....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
真理と正義と慈愛との三つの潔《きよ》き光が輝くのが明らかに認め得らるるあの清澄な
観想から、彼が一瞬たりとも目を転じなかったならば、みごとであったろう。
神がミ....
「省察」より 著者:デカルトルネ
され得る他のもろもろの真理の中へ尋ね入るに先立ち、私はここでしばらく神そのものの
観想のうちに停まり、その属性を静かに考量し、そしてその無辺なる光明の美をば、これ....
「解釈学と修辞学」より 著者:三木清
が必要である。 解釈学的方法に対する主要な反対は、それが理解の、したがってまた
観想の立場に立って、行為の、ないしは実践の立場に立つものでないというところにある....
「科学批判の課題」より 著者:三木清
に立っているのである。ところでこの理念における最も特性的なるものは、学問が純粋に
観想的本質のものと考えられたことに関係する。このことを理解するのは容易である。す....
「親鸞」より 著者:三木清
もとより単に美的な観照にとどまるものではない。それはしかしより高い段階においても
観想に結びつく。芸術的観照から哲学的
観想に進む。仏教における無常の思想は我々をこ....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
つかの等級があったが、わたしは次の三つを覚えている。(一)安楽。(二)高められし
観想。(三)神とじかに物語る至福。この美術家の名声は、その絶妙な伎倆にふさったも....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
や鼠色ランチの馳せちがう、やや煙で黒っぽい油絵風の画趣からも、今はもう午前十時の
観想は離れてしまった。 そこだ、現代の未来派でやっつければ、 鴉、鴉、鴉、鴉、....