観月[語句情報] » 観月

「観月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

観月の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
緒に、熱い仕事場の瓦斯《ガス》の傍を離れて、涼しい夜風を吸いに出ているのに、ふと観月橋の袂《たもと》のところで出会《でっくわ》した。 「どうしたえ、田舎のお爺さ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
った。いまから十八年前、画学生の逸作と娘歌人のわたくしとは、同じ春の宵に不忍池を観月橋の方から渡って同じくこの料亭のこの座敷でご飯を食べたのであった。逸作はそれ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
い内陣の宝物も見た。源氏之間は嘘でも本当にして置きたい様な処であった。余等は更に観月堂に上った。川を隔てゝ薄桃色に禿げた※冠山を眺め、湖水の括れて川となるあたり....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
もあったであろうか、そういう石の台の上へ、山家の秋景色を作ったもので、去年の中秋観月の夜に、私の所へまで届けられたが、山家の屋根は小判で葺いてあり、窓や戸ぼそは....
にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
品もございません』 と、近侍の公卿に復命した。 『けれど、せっかくの思召さるる観月のお莚に、何も奉らないのは、さぞかしご本意なく思召さるるでありましょう』 ....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
明治二十四年 東京美術協会「和美人」一等褒状 同年 全国絵画共進会「美人観月」一等褒状 同 二十五年 京都春期絵画展覧会「美人納涼」一等褒状 同年 ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
寓所に至る。ときに月まさにまどかなるも、その位置低く、光輝十分ならず。英国などに観月の雅遊なきは、これがためなり(当夕満月)。 十一日、晴れ。戴冠式場たるウェ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
音がする。権之助が、 「おや」 と、右の崖を仰ぐと、崖の中腹に、室町風の古雅な観月亭と廟があって、狭い石ころ道は苔むして見え、その辺を縫ってなお、幽翠な山の上....
三国志」より 著者:吉川英治
ば、早速にも」と、兵の手配にかかり、一方城外の玄徳へ使いを派して涼秋八月、まさに観月の好季、清風に駕を乗せて一夜、城楼の仰月台までおいで願いたい。美姫玉杯をつら....
三国志」より 著者:吉川英治
爽たる気概をもった青年だった。 ところが、近来の彼はどうだろう。赤壁の役の前、観月の船上でも、うたた自己の老齢をかぞえていたが、老来まったく青春時代の逆境に嘯....