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観望
「観望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
観望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
、曾《かつ》て一度は頽廃《たいはい》したものの再生でないものは無かった。
この
観望は岸本が旅の心を一層深くさせた。彼の周囲には死んだジャン・ダアクすら、もう一....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
と見給うべし、水掻きまであり、高さここより見て、一間も候べきか、甲府附近を、最も
観望宜しき場処と存候。 誠に晩春より初夏へかけ(ここの赤裸々となるは、夏期わずか....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
る。秀吉この有様を見て、中座して別室に退き、香を薫じ、茶をたてて心静かに、形勢を
観望した。しかし間もなく、勝家に次ぐ名望家、丹羽長秀の言葉が紛糾の一座を決定に導....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
老耄れたのか」と罵って之を斬ろうとする処に弟隆政現れて漸く止めた。睡鴎暫く四方を
観望して居たが、忽ち大喝して軍を進めついに大江門を抜いた。 もう此頃には、三の....
「運命」より 著者:幸田露伴
、朕が為に之を伐て、と言い訖りて崩れたまえるなり。燕の勢漸く大なるに及びて、諸将
観望するもの多し。乃ち淮南の民を募り、軍士を合して四十万と号し、殷に命じて之を統....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ある。湊における諸生党の勝利は攘夷をきらっていた幕府方の応援を得たためと、形勢を
観望していた土民の兵を味方につけたためであった。一方、天狗党では、幹部として相応....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ようとしたようなところがなくもない。しかし、京都の形勢に対しては、各藩ともに多く
観望の態度を執った。慶喜が将軍職の位置を捨てて京都二条城を退いたと聞いた時にも、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
あって、料理宿泊も出来る。茶屋からまた一段|堆丘を上って、大樹に日をよけた恰好の
観望台がある。二人は其処の素床に薄縁を敷いてもらって、汗を拭き、茶をのみ、菓子を....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は相違無いが、他人|交際《づきあい》の間柄ではあり、戦乱の世の常であるから、形勢
観望、二心抱蔵と出かけて、秀吉の方の催促にも畏《かしこ》まり候とは云わずに、ニヤ....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
泥を塗りて、終に賊に附したり。関城書は、親房が関城に孤立せし際、親朝がまだ形勢を
観望せるに当り、大義を説きて、その心を飜へさむとせしもの也。辞意痛切、所謂懦夫を....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
だ。エレベーターが停ると彼は、柔和な声で説明する。 『此の塔は高さ三百七呎、此の
観望台は二百尺の位置にある。バークレー全市とサンフランシスコ湾と金門海峽が見える....
「映画雑感(Ⅶ)」より 著者:寺田寅彦
メリカ語に翻訳された「俳諧」の逆輸入をいかなる形式においてしおおせるであろうかを
観望するのは、さらにより多く興味の深いことである。 日本映画人がかつてソビエト....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
して到底長く軍閥に寄食していられなかったろう。 その頃二葉亭は既に東亜の形勢を
観望して遠大の志を立て、他日の極東の風雲を予期して舞台の役者の一人となろうとして....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
荒し、
とうとう一しょになって己に刃向かって来たのだ。
部下の群は腹が極まらずに
観望していて、
風向の好い方に附こうとしているのだ。
上将軍
間牒に出し....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
こらの丘陵は今が季節の新緑を輝かしている。それだのに早や紅葉しかけた木々もある。
観望の壮大なことは驚く。それに市区の井然たることは、未だかつて内地の都市に見ぬ鮮....